第24話 列車は行く

 夕食をご馳走になってから、すぐにカリダスさんの家を出て夜行列車に乗り、いったん王都へと戻った。

 あのまま居候してもいいって言われたけど、借りてる部屋を引き払う必要があったから。


 部屋に戻り、荷物をトランクに詰め、大家さんのところで引き払いの手続きを済ませた。

 ダンジョン探索者向けの物件は、入居や引き払いの手続きが楽で助かるな。


 それから、その足でまた駅に向かい、海辺の街行きの列車に乗り込んだ。

 まだ正午前だから、日没のころには目的地に着くだろう。


「まもなく、発車いたします」


 車内アナウンスとともに、列車が動きだす。

 車窓に顔を向けると、見慣れた王都の景色がゆっくりと過ぎ去っていくのが見える。


 ……王都に来たばかりのころは、すごくワクワクしてたな。

 絶対、ベルムさんの最強パーティーに入るんだって。



 それなのに、こんな結果になるなんて――



「まあ、なんか失敗しちまったのかもしれないけどさ、そんなの若いうちはよくあることだって」


「そうそう。みんな、そうやって年取っていくんだからさ」


 

 ――こんな気休めの言葉に、すがることになるなんて。



 ……悲観的になるのは、これくらいにしておこう。

 

 魔術の家庭教師を頼まれるってことは、実力を認められたってことなんだから!

 ははは!

 ようやく僕の実力を認めてくれる場所にたどり着けたんだから、よかったじゃないか!

 他人と連携がとれないんだし、ダンジョン探索者なんて最初から向いてなかったんだ!

 うん!

 今までなんかより、ずっと気が楽だ!


 車窓に顔を向けると、王都の景色はもうとても小さくなっていた。

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