第10話 Goodbye Happiness

10.

" Incomprehension 理解不能 "


 今それが現実のものとなり、育は私と上司の元奥さんと

二股していること。


 直近で起きたこと全てを、てっちゃんにぶちまけた。



 「てっちゃん、私のこと軽蔑するよね?」



 「いいや、とは言えないねぇ・・後輩!」



 「だよね?」

 そう言いながら、私はしょんぼりと項垂れて見せた。



 「今になって気持ちが切れたのにはなんか理由があんのか?」


 「うんっ、子供ができたの」



 「それなら逆だろ? ふつう。復縁してもらえ。

 相手はそれを知ってもまだ今のまま・・考えるって言ってんのか?」



 「育には妊娠のことは話してない・・し、話すつもりないんだぁ~」



 「なんでだよ?」



 「うん、なんでかなぁ~虚しさ?」



 「しかし、育ってモテんだな。すぐにそんな女ができるなんてな。

あれかぁ、元旦那が別の女抱いてるからか?」



 「そだね、一番大きな理由はそれかな。だけどそれだけじゃないのかも。

よく自分でも分かんない・・けど、復縁の先に幸せが見えなくなって

しまったからっていうのが一番の理由かな」



 「はーん、俺にはさっぱり分からんね。

 認知だけでもしてもらったほうがいいぞ 」


 私は首を横に振った。


 「認知もしてもらわない。そもそも子供のことは言いたくないんだ」



 「お前、それじゃあ、子供が可哀そうだろうが。

お前はそれでいいだろうがよ」


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