第8話 Goodbye Happiness

8.

" A Main Entertainer 真打 "


 もし、育に頼むのなら認知の件は自分の口から言うからと

家族から直接、育に言うのだけは絶対止めてほしいと口止めした。



 そんなゴタゴタ続きの我が家に一報が入った。

 いとこおばからの電話だった。


 おばは、うちの母親とは子供の頃からの付き合いで馬が合い、時々家にも来るし、電話もかかってくる。


 それは一報というより、いつもの長電話のついでのような話し方で

話の最後に、又従兄またいとこの哲っちゃんが少々長患いになるかも

しれないという話をして、いとこおばは電話を切ったらしい。


  

 この又従兄は奥さんの浮気で離婚していた。


 もちろん哲っちゃんは、独身の今もおばたちとは一緒に住んでおらず

都心から少し離れた郊外に自分の家を建てて住んでいる・・のだけれど。



 私が通える近場の病院じゃないと、見舞いに行ってやらないという

おばの発言により、てっちゃんは今、実家寄りの病院に入院しているらしい。


 そりゃあそうよね。

 日々のこととなると確かに距離って大事だよね。


 こんなこと言うと、不謹慎かもしれないけど・・気晴らしもあって

私は両親たちとは別の日にてっちゃんのお見舞いに行った。



       ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 「こんにちはぁ~、どうですか?」


 「おっ、久しぶりじゃん、そっちこそ元気か?」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る