PBM ゲームマスターからあなただけへ秘密の『個別マスターより』
田中ざくれろ
第1ターン(三月)
第一回:個別マスターより
「私のPBM『Drハルマゲの危険な世界』に参加し、私のシナリオ『砂漠の深海魚』を選んでくれてありがとうございます。
これから最後の十ヶ月をつきあってもらう事になるのだけれども最後まであなたを楽しませるよう頑張ります、ゲームマスター(MS)の『百円アイス』です。
あなたがアクションと一緒に私信を送ってくれたので『個別マスターより』を送ります。
最初に書いておくけれど私は私信に関しては饒舌な方です。けれども、あくまでもプレイヤー(PL)としての質問には答えるけれど、プレイヤーキャラクター(PC)の立場からのゲーム内容についての質問には答えられないからそのつもりでいてください。
あと私信に書かれた『アクションで書き足りなかった行動の補足』『PCの心情』は基本的に参考にしません。それを参考にするとアクションの字数制限が無意味になって、MSに私信を出している人が出していない人に対して字数的に有利になってしまうからです。私信は義務ではありません。各PCのアクションは公平に扱いますのであしからず。
あ、私信で書かれていた「これはPBWじゃなくてPBMなんですか? PBMってどういう意味なんですか?」という質問ですけど、最近の主流だったPBWというのは
Play By Web(ネットを使って遊ぶRPG)
という意味ですよね。
PBMというのはこれの前身となった
Play By Mail(郵便を使って遊ぶRPG)
という意味で、アクションの提出やリアクションや情報誌の送付、PL質の情報交換や交流等を主に郵便を使って行う、まだインターネットがそんなに発達していなかった頃のこういうゲームの事です。
大昔はこれを『ネットゲーム』と言っていたのですが、オンラインRPGの普及でその名前はそちらへ譲る事になったのでした。
『Drハルマゲの危険な世界』はネットを媒体としているので厳密にはPBWなのですが、媒体が郵便だった頃にプレイしてきた私の郷愁から敢えてPBMと呼ばせていただきます。最後の十ヶ月だからいいですよね。
郵便を使って行っていた昔のPBMはお金や時間の負担が今のネットのPBWに比べて断然にかかりました。それでも数多のPL達がプレイしていたのは純然に楽しかったからです。
PLはリアクション小説の情報に従って、行動を考え、ある時には他のPLと情報交換し、協力してアクション文章を提出する。そのアクションがMSにマスタリング、つまり判定されてまたリアクションとして書き起こされる、それがPLに届けられる。これが繰り返される面白さはとてもやりこみがいのある楽しさだったのです。
この楽しみを一人でも多くの人に伝えたくて、私はMSをやっています。
楽しみたいのならPLでいいんじゃないか、という人もいますが、MSというのはPLとは違う立場でのゲームへの関わり方、遊び方です。
MSという立場も楽しいんです。PLとは違うPBMの楽しみ方が出来ます。
もし誰かに「百円アイスMSのリアクションって面白いよね」って何処かで言ってもらえたりしたら、私は宙に浮かぶ様な気分で大喜びするでしょう
これから九ヶ月、あなたにそう言ってもらえる様、私は頑張ります。
それでは次回でお会いしましょう。PCのアイテム称号に『始まりのメダル』を発行してるので、ちゃん無事と出力されているかご確認ください。
では、来月もあなたにPBMの守護精霊の御加護がありますように。
三月某日 百円アイスMS拝」
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