第35話:良運と悪運
いやだなぁ、ほんとうは聞きたくない。
でもクサーヴァとペトロネラの願いを無碍にはできない。
「そうか、2人の嘆願となれば聞かないわけにはいかないな。
どんな願いなのか話してくれ、マリア」
「はい、では遠慮せずにお伝えさせていただきます。
クサーヴァ様とペトロネラ様はフォルカー様を王都に置いて欲しいそうです。
フォルカー様の運の悪さは常識を超えております。
今までは運のいいリヒャルダ様が側におられたので何とかなっていました。
ですが今回公爵閣下の役目を果たすうえで、大切な御役目を失敗しかねない運の悪さに何度も見舞われてしまいました。
公爵閣下が大切に想われている領民のためにも、フォルカー様を王都で預かって欲しとの事でございます」
そうきたか、領民の事を言われたら嫌だとは言えないよな。
しかしまいったな。
フォルカーの運の悪さを今まで以上に上方修正しなければいけない。
だが、フォルカーを王都屋敷に預かるとなると、問題は俺だけではすまない。
大切なリヒャルダを巻き込むことになってしまう。
「うむ、領民をフォルカーの悪運の犠牲にするわけにはいかないな。
だが同時に、俺とリヒャルダが悪運に巻き込まれるのも嫌だ。
何か方法を考えるから、しばらくは王都の宿屋を使ってくれ。
これはその為の資金だから、遠慮せずに使ってくれ。
金貨を200枚入れてあるから、この場で確認してくれ」
「はい、不躾ではありますが、ご命令とあらば確認させていただきます」
マリアが革袋に入った金貨をだして数えている。
その後ろでフォルカーがぶぜんとした顔をしている。
まあ、これだけ悪運を連呼されたら、いくら自覚していても嫌だろう。
「確かに金貨200枚お預かりいたしました」
「ではマリア、君がそのお金を管理してくれ。
金貨が100枚になった時点で追加の金貨を100枚渡す。
それが手切れ金でも餞別でもないから安心してくれ」
「はい、ありがとうございます」
「それでだ、正直に言おう。
クサーヴァとペトロネラが領民の事を心配したように、私もリヒャルダが心配だ。
だからできるだけフォルカーをここに近づけたくない。
だがフォルカーを見殺しにしたいわけでもない。
そこでだ、傭兵ギルドと冒険者ギルドに信頼できる護衛を頼んでくれ。
その者にフォルカーの護衛を任せたい。
その者たちとフォルカーとマリアが暮らすための別邸を手配しておく。
それまでの間は安全を配慮した高級宿屋に滞在してくれ」
「承りました。
公爵閣下の親身なご配慮、クサーヴァ様とペトロネラ様に成り代わりお礼申し上げます、ありがとうございます」
大賢者、愛が1万以下になるまで使って構わない。
フォルカーとマリアの心身を護る方法を教えてくれ。
時間がかかっても構わないから調べろ。。
ピロロロロ
……です。
愛が愛が395217になりました。
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