第31話:見せしめ
大賢者に計算してもらった通り、バカな団長が全傭兵と冒険者を集めた。
アーベントロート公爵家の王都屋敷には、家臣使用人に戦闘訓練をさせるための広い練兵場があるので、そこに全員を集合させた。
全傭兵と冒険者に、俺に勝つことができたら金貨1000枚を与えると広めているから、誰1人欠ける事なく集まった。
「ふん、俺に本気で勝つ気なら無駄だぜ、公爵閣下様よ」
目の前にいる団長がふてぶてしい態度で馬鹿にする言葉を吐き捨てた。
団長の名前を思い出したが、その名前を思い浮かべる気はない。
この場で叩きのめして追放するモノに名前などいらない、団長で十分だ。
こいつの傭兵団を乗っ取って傭兵達の性根を叩き直す。
「つべこべ言わずにかかってこい、口先団長」
「な、死のやがれ」
団長が激怒して本気で襲い掛かってきた。
腐れ外道の巣窟とはいえ、大きな傭兵団の団長を務めているだけのことはある。
いや、力こそ全ての腐れ外道傭兵団だからこそかもしれない。
団長の剣はとても早く破壊力に満ちている。
普通の貴族公子では身じろぎする間もなく叩き殺されているだろう。
だが大賢者から強くなるための方法を知り実行した俺は、そんな強者の団長が相手でも楽々勝てるのだよ。
グッワッチャ
一撃で力自慢の団長を叩きのめす。
見ている傭兵や冒険者に恐怖を与えるために、顔の下半分を粉砕する。
下顎を粉砕骨折させて熟したトマトのような血袋状態にする。
「次、お前がかかってこい。
私に勝ったら金貨1000枚を与えてこいつの代わりに団長にしてやる。
団の運営はアーベントロート公爵家が全面的に後援してやる。
私を殺す気でかかってこい」
大賢者が計算してくれた通りに、同じ傭兵団の幹部を指名する。
一番大きない傭兵団を完全に乗っ取るために邪魔者は潰しておく。
陰で悪事を企む連中をこの機会に全員潰すと言うのが大賢者の方針だ。
俺もその通りだと思うから大賢者の計算通りにする。
方法が気に入らなければ別の条件をだして再計算してもらえばいいのだが、今回はこの方法でいい。
「ぬおおお、やってやる、やてやるぞ」
大賢者の計算通りに欲深くて愚かな幹部がかかってきた。
団長より少し劣るのが最初の一撃で直ぐに分かる。
欲が深いからこそ、自分が団長より劣っていた事も目の前で団長が死にかけている事も忘れて、俺にかかって来れるのだろう。
グッワッチャ
幹部も団長と同じよに顔の下半分を粉砕して倒す。
「治癒魔術が使える奴、こいつらを治してやれ。
俺に負けても一時的に痛い思いをするだけだぞ。
アーベントロート公爵の名にかけて治してやる。
だから団長の座と金貨1000枚に挑戦してみろ。
次はお前だ、かかってこい」
さあ、楽しいショーを続けようじゃないか。
今までお前達が村々を襲ってやってきた残虐行為に比べれば優しいモノだ。
俺に絶対逆らえなくなるくらい俺の怖さを焼きつけたやるよ。
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