第12話 2000/8
−−−−−−−−−−−結−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
項 バンダリズム考 その 46
?Dネオテニー現象との関連性?
社会というものが機能するためには、ある程度欲望は抑圧されなくて
はなりません。
そして、ヒトには本質的に攻撃性が存在しているようです。
しかし、ヒトには同時に知性が介在するために、これを用いて先人は
抑制要素を構築しました。
たとえば、<正義>。
これも現代では絶対的な価値になってはいないというところに問題があります。
例えば拝金主義においては利益が正義になってしまっていますし、同時にこれは不正搾取の
温床にもなりかねず、被害者側からすれば<悪>です。
本来、正義というような概念は、絶対的でなくてはならず、「利益」などという相対的な
価値観に左右される筈もないので、つまりこれは「正義」という概念を悪用した例、ですね。
つまり、こうした正義というのは属する団体、共同体にしか通用しない
わけでして、なにを<仮想敵>とするによっては紛争の原因ともなりかねず、
注意が必要です。毒ガスを地下鉄で撒いたりするカルトにしても、
その団体の中ではそれが正義である、ということになっていたようですし。
共通の<正義>が見つかれば、それが一番いいのですが。
可能性としては、<生命維持><共存>などでありましょうか。
しかし、これですら<正義>のために、と暴力行為を正当化するような人々に
かかると途端に<いじめ>に変化してしまいます。
以前、お話した「駐車違反の取り締まり」を隠れ蓑にした警官の嫌がらせ、
または先のAさんのような「組織の統制」を大義名分にしたいじめ、とか。
こういう人達は、自分が暴力犯だ、ということを正当化しているので、
性質が悪い。悪知恵を働かせて、法、規則を窃用し、暴力行為を正当化する。
こういう連中がいると、法も単なる虐めの道具に下落します。
それゆえ、現代の法ではこうした「力の行使」に際し、国家がそれを監視し、
あくまでそれは国家の名に於いてのみ行われなくてはならない事になって
います。
つまり、こういう人達は逸脱しているわけでして、
これに対する罰則を適用するべきであるのです。
ちょっと脱線しましたが、このような状況があるために<正義>も、もはや以前の
ような機能はなくなっているようであるのはとても残念なことですね。
それもまあ、環境への適応?とでも揶揄しましょうかネ。^^;。
いや、可能性は残ってはいるのです。
何が正しいか?、自分はどうなのか。
こう、相互に自省すればよいだけのことなのですケドね。
-------[以下、次号へ続く]--------------------
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