夢の感覚というのはなかなかややこしい。明晰夢をあまり見ないけど、覚えていることは大体悪夢が多い時分には、この小説はちょっと厳しかった。この感覚が、例えば料理しているとき、肉を切断しているとき。庭掃除しているとき。穴を掘っているとき。五感に残ったリアルを言葉と結び付けてゆくと、鬱になる。この物語は、自分とは相性が悪く、それゆえに面白い。悪い夢はネタだといいきれる貴方には、是非読んでいただきたい作品です。