『やましん ぽい』

やましん(テンパー)

『やましん ぽい』


 『この、お話は、フィクションです。また、あまり、好ましくない用語が使われていますが、あくまで、演出上の目的によるものです。』





 地球を占領した宇宙ごきの親子が、近所のスーパーからの帰りがけ。



宇宙ごきの子ども


 『あ、まま、あれ、人間落ちてる。』



宇宙ごきのまま


 『まあ、きたない。としよりの人間じゃない。どこから、出てきたのかしら。あ!これ、町内で飼ってるやましんよ。なんか、病気があるとかで、食べるに食べられず、でも、なぜだか、大王さまと、地球ごき大将の約束で、処分できないんだって。ばっちい、ばっちい、ぽいしなさい。』


 『でも、かわいい。』


 『どこが?はい、ぽい。帰ろ。』


 『え〰️〰️。持って帰りたい。』


 『だめ。エサを食べるだけで、なんの、役にも立たないの。廃棄物よ。なんか、むかしから、地球ごき大将と知り合いだっただけで生かされてる。廃棄物、ごみ、役立たず。はい、ぽい。』


 宇宙ごきまま、泣く子どもを、引っ張って帰る。


 

 やましん、つぶやく。


 『やれやれ、たしかった。外に出るなとは言われるものの、だいじな、ぱっちゃくんを、ばかでかい、宇宙のらにゃんこが引っ張っていっちゃったから。はあ、確保した。げ〰️〰️っと。』


 やましんの下には、ぬいぐるみのパンダさんがなにごともなく、すやすや寝ていた。


 やましんに負けないくらい、汚れている。


 そこに、地球ごきの救援隊が駆けつけてきた。


 ねこままが、呼んだのである。


 『あ〰️〰️。こちら、55分隊ごき。対象者、確保。生きてるごきな。これから、本部医療室に搬入するごき。』


 ごき救援隊の、同僚が言った。


 『なんか、危なかったなごき。あれ、見ろ。宇宙プテラノドンが狙ってごき。』


 同僚は、スーパー・ごき・ビームを放って、宇宙ごきが連れてきたやっかいな、かなり大きな肉食怪物を、追い払った。


 こいつは、地球人類が大好物であるらしい。


 一年前には、考えられない光景だったのである。


 人類あほ化光線が、無差別広範に使われ、地球人類の知能は、かなり落ち込んでいた。


 しかも、たいへん、じゅうじゅんになるのである。


 例外は、あった。


 例外とは、宇宙ごきの、役に立つ、優秀な人間である。


 彼らには、ワクチンが注射されており、あほ化光線の効果が、ほとんど、なくなるのである。


 やましんには、ねこママが、ブラック・ルートから横流しされたワクチンを入手して、そいつを注射されていた。


 かなり怪しいワクチンだったが、幸い、中身は正規品だったみたいである。


 かつて、第二次大戦後、ペニシリンとかもそうだったが、強い薬物が引き起こした事件は数多ある。


 使い方を誤ると、危険なのだ。


 一方で、虚弱なやましんが、生き残りできたのは、新しい抗生剤のおかげでもあった。


 今回も、救われたのか、そうでもないのか、なかなか、分かりにくいところではあった。


 映画なら、パルチザンが現れるが、現実には、そう、簡単ではなかったのである。

 

 

 


 


 

 


 

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『やましん ぽい』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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