詩生活に彩りを。

結月 れん

冬過ぎて藍微塵

止まっていた電車は動き出した

北颪も故郷に帰っていった


そしていつかわたしたちを拒んだ純白が

わたしたちに踏まれる薄墨に変わっていた

それに気づいてしまった


わたしの一年間はだれかの一年間で

だれかの一年間はあなたの一年間で

わたしたちが一つの命を大事に持つ横で

雪の結晶はぐるぐるまわっている


「あなたは何回雪になったの」

「あなたは何回雪をやめたの」


きっと春一番がわたしを狂わせるんだ


「あなたはココロがあるの」

「あなたは夢を見るの」

「あなたは願いがあるの」



「わたしは消えたくない」


この十七年間で

わたしはイロが付いた

アイを知った

コトバをもらった


わたしは使いたがりの生き物だった

形にすること

届けること

残すこと

気づいたらただそれをしていた


わたしは忘れたくない

わたしは忘れられたくない


わたしは雪の結晶にはなれない

ヒトだった



だから


ここに記すんだ

イロを

アイを

コトバを

くわたしたちのセカイが

微塵になって溶けてしまうその前に


だったら


わたしはまた会いたい

遣らずの雪はもう降らないから

藍微塵が咲くその頃に

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詩生活に彩りを。 結月 れん @relit05_

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