第3話 密入国

「あ、こーはい! こっちだよ~!」

「そんなに大声で叫ばなくても分かります」


 だだでさえこの二人は目立つからな。リアルでもそうだが、絶世の美女と美少女が仲良さげに話し合っている姿は完全なる目の保養だ。


「今日は来てくれてありがとう」

「いやぁ、良かった! もしかしたら、来ないかと思ったよ! 来なかったらつれごに死んでごめんなさいしないといけないところだった!!!」

「そんなことしてほしいなんて一度も言ってないよ」


 会話の内容が分からなければだが。


「私が嘘なんて吐くわけがないでしょう」

「うん、……うん?」

「何か?」

「イヤ、ナンデモナイヨー」


 微妙な反応をするまくらさん。何か言いたいことがあるなら、遠慮せず言えば良いのに。


「それで、どうやって行くつもりですか? お二人に任せる気で来たので、私は何も調べてませんよ」

「あ~。実はね、和国って今鎖国してるんだよね。それは知ってる?」

「そのくらいなら」

「今って言うより、『FMB』が発売されてからずっとらしいよ。何かのイベントでエリア開放されるんじゃないかって噂があるけど……」

「待ってられないんだよね!!!」


 まぁ、メールでの語り口的に今すぐ行こうとしていることは分かっていた。だが、だとしたらどうやって……


「だから、今から密入国しよっか!!!」

「は……?」

「私の信者が船出してくれるから、行こう」

「は……???」


 やはり、まくらさんもつれごさんもイカれてる。真面なのは私だけか。

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