わかりきっていたこと


「まるですごい猿だね」

片想いの相手からそう批評され

おれは暗闇の中でにやにやしながら尻を出し

利き腕でところてんと格闘していた

つまり

完全に頭がいかれる

その一歩手前でぎりぎり自我を保っていた

誰が知ろう

このおれの苦悩を

苦悩はいつだって同じ顔面をしているわけではない

お前の嘲笑がさらにおれを痛め付ける

味方はいない


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