狂った猿


狂った猿が占拠した

おれの部屋をだ

最初は抵抗した

だが今はもう開け放している

無駄だということがわかったのだ

狂った猿との共生

狂った猿がソファーでバナナシェイクを吸う午後

ある日のおれは散弾銃を緩やかな動作で組み立てていた

猿の目つきが変わる

次のようなことを思った

(………何かが変だ)

おれは構わずにそいつの脳天を即座にぶち抜いた

自らの手で他の生命を奪う

始めは戸惑ったが実際やってみるとかなりの爽快感を得られることがわかった

ぴゃあああっ

何だか猿を殺すのがおれの趣味になりそうな予感

猿は状況の変化を察知し部屋の中を所狭しと駆け回った

どうして死ぬのかわからないが仲間が次々と死んでいくのだ

算数の出来ない猿

かなり減る

中には自分の頭をハチミツに突っ込んで窒息死する奴も出て来た

空には星が出ていた

だがそんなことは今のおれには全く関係が無い

猿が反撃を試みる

おれは譲れない夏に散弾銃をぶっ放す

猿は強制的に次の世界へと旅立たされる


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