人生の傍観者


おれは立ち尽くしていた

前後左右を向日葵に囲まれていた

奴らはただ黙ったまま圧力をかけてきた

おれが自殺するのを待っているのだ

「うう………」

元気いっぱいがいっぱい

知らない人がやって来ておれに言った

「大丈夫だよ」

一体、何が大丈夫なのか?

薄気味が悪かった

帰宅すると嫁がいた

ただいまを言う前にダイエットの成果を喋り始めた

嫁の手にはチョココロネが掴まれていた

「やめてえ、わたしの口に侵入しようとするのは!」

どうみても自分からチョココロネを口へと運んでいるようにしか見えなかった

だが嫁の感覚ではそれはチョココロネの侵入にあたるらしかった

「過剰なダイエットは身体に良くないよ」

おれは正しいことを言ったつもりだったが嫁の心には響かなかった

(そもそもおれいつ結婚したんだっけ?)

謎はある

確実に

考えることをやめた日について想いを馳せる


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