桃くれ

おいしい桃くれ

だが拒否された

「おいしい桃はここにはありません」

ここ、が地球を指していることはすぐにわかった

おれはますますおいしい桃が食べたくなった

無いと言われると欲しくなる

そういうものなのだ

散弾銃を店主に向け再度、要求した

「おいしい桃くれ」

店主は降参し両手を挙げた

「桃だせっ」

おれは血管を浮き上がらせ恫喝した

途中から桃って何か自分でもよくわからなくなったが本能に基づいて要求した

とうとう店主が桃を出した

これが桃か

おれは思った

だがこれはおれの桃ではない

おれの桃は隠されてけして人前には出さないのだ


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