窓口


おれはドッグフードを食べていた

あとは言わなくてもわかるな?

世の中には解説が必要なものと必要無いものがあるのだ

無いものの筆頭それがドッグフードだ

「すいません、ドッグフードって酒のつまみになりますか?」

死んじまえ

そう言い放って電話を切った

おれはお客様相談センターの室長

今日も頭に疾患を抱えた連中が電波を伝って押し寄せて来る

やれやれだ

「ぽりぽり」

おれはドッグフードを片手に勤務時間中からビール

結構うまかった

何故ならおれは犬だから

犬がお客様相談センターの窓口を担当する

近未来なら当たり前なことだよな

当たり前すぎて酸素は今日も透明

「どうして犬が喋っているんですか?」

次の電話の声が言った

進化したからに決まってるだろ

お前は石斧を持ってナウマンゾウでも追い駆けてろ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る