能ある鷹は爪を隠せるだろうか…
infact
第0話 プロローグ
理想ってのは現実では存在しない。気体だって現実でPV=nRTにはなり得ない。人生も同じ。勉強ができてスポーツもできるやつが必ずしもラノベや漫画のようにクラスの人気者になるとは限らない。俺の人生で学んだ教訓は他人に期待しないことだ。もう同じ過ちは繰り返さない。あの時と同じ思いを二度としないために…
「何考え事してんだ?」
そう話しかけてきたのは同じクラスの男友達の鳩山俊だ。
「夕飯のことを考えてた」
「今日の夕飯はカレーって寮母さんが言ってたぞ」
「今日最後の授業は全部起きるぜ!!」
そう言って、机から教科書とノートを勢いよく出した。
「そういえば、大鷲凛ちゃん髪切って可愛くなってたな」
「そうなんだ、気づかなかったわ」
「お前もっと他人に興味持てよ…あの子のこと興味ないのお前ぐらいだぞ?」
大鷲凛、学年1可愛いと噂されている女子だ。誰にでも愛想がよく体型も出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでいる女子の理想の体型だ。その上に顔も可愛いとなると男からの人気は数えきれない。
「俺は大人の女性がタイプなんだ。OLとかがいいね。養ってほしい。」
「それはただのヒモ男だぞ…」
そんなたわいもない会話をしてると授業開始のチャイムがなった。
「じゃあまた後でな」
「おう」
そう言って俊は席に戻った。その時ふと大鷲凛と目があった。
「まあ彼女と今後関わることはないっしょ」
そう言って、教科書とノートを開きペンを優しく握った。
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