第6話


とうとうコミコミ一日目、あたしは楽しみ過ぎてなかなか寝付けなかった。

睡眠時間は二時間。

眠たい目を擦りながらひなさんからモーニングコールが鳴った。


「天使さんおはようございます!無事に起きれましたね。支度が出来たらロビーに集合ですよ!それではまた後程」


ひなさんと電話を終えあたしも出掛ける準備をした。

忘れ物がないか確認をし最終鏡チェック。


「えいなちゃんに今日逢うんだ...。心臓がドキドキする!」


あたしは胸に手を当て心臓の音を確かめた。

身だしなみも整えひなさんが待っているロビーへ向かった。

先に着いてたひなさんはソファーに座っててあたしは声をかけた。


「遅くなってしまいすみません。行きましょう」


外に出るとまだ日が昇ってなく風が少し吹いてて真夏なのに涼しく感じた。

イベント会場はとても近くすぐに着いた。

まだ5時過ぎと言うのにかなりの人が並んでいた。

とりあえず並ぶ前に近くのコンビニで飲み物と軽食を買うことにした。


「すごいですね!おにぎりやパンなどがピラミッドいや、除雪したときの雪の壁のように並んでる。」


その凄さにあたしは圧倒した。

その様子を見てひなさんは笑ってた。


「雪の壁ってなんですか。天使さんは面白いですね。そういえば天使さんは新潟の方ですもんね。」


雪の壁でそんなに面白いか?と思ったが確かひなさんは東京の方。

雪の壁なんて見たことないのかと思った。

買い物も済ませ列を探す。


「ここが一番最終列ですね!天使さんはイス持ってきましたか?」


ネットで調べた通り、開演までものすごい時間並ぶのでイスは必需品と書いてあった。


「もちろん!100円ショップで買ってきました」


あたしは折り畳み式の小さな脚立をイス代わりにしようとカバンから取り出した。


「ここからどんどん暑くなってきますのでこまめに水分補給、あと扇風機やタオルなど濡らして熱中症にならないように気を付けましょうね」


気分など悪くなったらお互い伝えるという約束をしお話したり各々好きなことをして時間を潰した。


いよいよ開演。

時間になり一斉に拍手をし出した。

あたしは周りに合わせ拍手をしイスを片付けほんの少ししか動かない列をちょびちょびと歩き出した。

この一歩がえいなちゃんとの距離を縮めていく。


「あれ?ひなさん!なんか会場から離れてっていませんか?」


近くなったと思ったのに逆方向へ進んでいく。


「一回ぐるっと回るんですよ。なんせ人が多いですからね!でも確実に近付いてますよ。あと少し、頑張りましょう。えいなちゃんが待っています」


えいなちゃんが待ってる!その言葉を聞きあたしは興奮してなんとも言えない気持ちになった。

あと少し。



※今回の推しあるある


推しにもう少しで会えるってだけで自分の体じゃないみたいに興奮して震える


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