真昼に流れる星を見たことがあるか?
mikio@暗黒青春ミステリー書く人
ダイナミクス・オブ・ア・フォーリンスター
授業の内容で少し確認したいことがあって、教室の外まで数学教師を追いかけたのが失敗で。いつの間にやら小惑星の公転軌道の話にまで発展。気づいたときには貴重な昼休みのうち四分の一近くが失われていた。
「そろそろ昼食を買ってこないとなんで」
まだ話し足りなそうな数学教師にそう言い置いて、廊下に出る。我が
てなわけで、走る。走りまくる。
十二時十七分。経験上、そろそろ焼きそばパンの在庫がピンチになる頃合い。となれば手は一つ。上履きのまま中庭を突っ切るしかない。生活指導教官に見つかれば説教ものだが彼らの生息する体育教官室からは死角の位置にあるし、短いランチタイムにわざわざ見回りをしようとは思わないだろう。障害物――低木やらベンチやら初代学長の像やら――もなくはないが、そんなのは避ければ良い。避けられなければ、飛べば、良い!
自慢の脚力で中庭を駆け抜ければ、購買はすぐそこだった。
「ギリギリセーフだな、お嬢ちゃん」
「イエーイ」
購買のおじさんとハイタッチしつつ、焼きそばパンが残っていることを目視確認。よしよし。これで午後も乗り切れそう。安堵のため息を吐き出しつつ、何気なく後ろを振りったところでひゅっと喉から変な音が出た。
教師に見つかることはなかった。焼きそばパンにもありつけた、にも関わらず、わたしは致命的な間違いを犯していたということに、今さら気が付いたからだった。
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