『カガク』

 かつて世界を干からびさせた原因である技術。

 本来は深刻なエネルギー不足に陥った際に開発された水からエネルギーを取り出し様々な現象を引き起こす技術だった。

『カガク』と称されているものの実はエネルギー不足に陥った世界を救うために科学者と魔術師が手を組み作り上げた新たな魔術系統。

 当時『カガク』は水を電気に変換するものが一般的に流通していたが、『カガク』は本来水を対価にあらゆる現象を引き起こす非常に汎用性の高い魔術であり、『カガク』によってあらゆる現象を引き起こすことのできる者はカガクシャと呼ばれていた。

『カガク』によりエネルギー不足は解消され世界は救われたのだが、とあるカガクシャが喪った家族を蘇生するために大規模な『カガク』の行使を行った。

 人を蘇らせる『カガク』は失敗した上に禁忌を犯した代償としてこの星に存在するほとんどの水が失われてしまう。

 海すら干からびたこの大旱魃により人類どころかあらゆる生物が絶滅しかけたが、魔術師達によって作り出されたカタツムリによって人類はなんとか生き延びた。

 その他の生物の多くは滅んだが、ごく一部は急速な進化を遂げ生き延びた、現在の環境に適合した野生生物は砂漠生物と呼ばれており、その殆どが凶暴で人を襲うため駆除対象とされている。

 カタツムリを生み出した魔術師の一部は『カガク』による悲劇を防ぐために『カガク』を最終的に完全抹消する事を目的とした機関を作り上げ、世界中に残る『カガク』の蒐集・略奪を開始した、この機関が後に要塞型図書館・バベルとなる。

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