短い小説でもなんでもないもの

@shanshara

卒業

ある男の子は感動して泣いた

ある女の子は最後に仕掛けられたドッキリに感化して泣きじゃくった

ある男子はどうせ会えるからとそそくさと帰った

ある女子は情を残したくないとすぐに帰った

彼女はそんなに悲しくないと平然と立ってた

友達が少ないと言っていた彼は素敵な仲間が沢山いることに気づき幸せに感じた

私は、、、?

ある人間は友達は多い方だと思っていただけだった、友達だと思っていた人の大半は友達ではなくとりあえず仲良くしていただけの人だった、友達は友達だと思ってる数の5分の1にすぎなかった

悲しくはなかった、どうせそうだろうと思っていたから、時々見せていた鬱陶しそうな目

それに勘づいてたのにも関わらず気付かないふりした元々そういう目つきの人なんだと

人間は誓った、心を閉ざして身を守ると

人間は学んだ、人の言葉に信用出来るところは少ないと

人間は気づいた、交わした言葉ほど薄っぺらいものはないと

どんな紙よりも薄くてどんな気体よりも溶けやすい そしてどんな詐欺師よりも騙すのが上手い

卒業式の日

ある人間は、薄いものを吐き散らしながら誓いをたてた

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