Chapter19.夢のように

GM:皆さんが相手をしなければいけないのはアルボルシニア1体、オーガ1体です。先程のそれぞれの戦いのおかげで数は減っていますね。既に相手の能力値は手に入れているので、まず【先制判定】をお願いします。


ルカカフィーネ:私の出番ってわけよ!…15!

ヴォックス:13!


GM:相手の先制です!本セッションは先制とられゲーですね!ソードワールド未プレイの方の誤解を招くぞ!

レド:まあ、ダイス次第だからそういうこともあるよね!


ナージェンカ:ちなみにこのアルボルはどの魔法が使えるんでしょうか?

GM:妖精魔法の火/土を使ってきます!

門番:あっ、しかも【鷹の目】を持ってる!後衛まで魔法届かせられる…。


GM:はい!あ、あと追加で【魔法制御】を持たせているので彼の魔法が味方を巻き込むことはありません。

レド:こーれーは短期決戦にしないとやばい!


GM:戦闘準備はいいかな?


レド:「囲んで殴るぞ!」前衛に出て【ストロングブラッド】を使います。あとヴォックスに【かばう】

門番:前衛に出て【ガゼルフット】【ストロングブラッド】を宣言します!

ヴォックス:レドに庇われながら前衛に出るぜ〜!


GM:オーガがレドを殴ります。回避どうぞ!


レド:11!失敗。


レドHP64→57


GM:アルボルシニアの妖精魔法【フレイムアロー】こいつは固定値ではなくダイスを振るよ〜。14、微妙か。ヴォックス、精神抵抗してください!


ヴォックス:【精神抵抗判定】〜17!よっしゃ!


アルボルシニア:「燃えろ!」威力が12なので端数切り上げて半減、6点食らえ!


ヴォックス:「あっちぃなチクショウ!」


ヴォックスHP30→24


GM:ではみなさんの手番です。


レド:バフをかけたいから前衛の中では最初に動きたい!


ルカカフィーネ:オッケーじゃあ私からいく!オーガに銀の矢!19で命中!


オーガHP58→50

更にブラッドランサムの効果で呪いを付与。


レド:操霊魔法【レイジングアース】でこの乱戦エリアに回復フィールドを作ります。敵味方関係なく3ラウンドの間行動後に3点HP回復します。そして【マルチアクション】でオーガを銀のツーハンドソードで殴ります。…16。呪いと弱点のおかげで当たります!威力は19!


オーガHP50→39


レドHP57→60


門番:【キャッツアイ】を宣言して盾の【囮攻撃】!10なので当たらない!…ヘビーアックスでいくぞ!18で命中!ダメージは17!


オーガHP:39→30


門番HP:29→32


ヴォックス:「おいアルボル!」【アイスボルト】行使判定は15!


GM:アルボルは…18で抵抗に成功。


ヴォックス:ダメージは11なので半減して6点!


アルボルシニアHP68→62


ヴォックスHP24→27


ナージェンカ:「これを使うのは初めてだ

…」【フィールドプロテクション】で自分とルカカフィーネの被ダメージを1点軽減します。…行使判定は無事成功!



—2ラウンド目

オーガはヴォックスを狙うが、レドがそれをかばう。


レドHP60→54


オーガHP30→33


ヴォックス:「すまねえレド!もう少し耐えてくれ!」

レド:「任せろ…!」


アルボルシニア:「ああ、全く見ていられない。全て焼き払ってしまおう」前衛の3人へ向けて【ファイアブラスト】が放たれる…!


全員抵抗に失敗し、さらに1回転(クリティカル)!19点の範囲ダメージ。だが【ストロングブラッド】を使っていたレドと門番は炎ダメージを軽減!


ヴォックスHP27→8

レドHP54→40

門番HP32→18


ナージェンカの拡大数【キュア・ウーンズ】が前衛3人を回復する。


ヴォックスHP8→19

レドHP40→48

門番HP18→27


ルカカフィーネの銀の矢がアルボルシニアに命中!1回転し31ダメージ…!


アルボルシニアHP62→37

呪いへの抵抗には成功


ルカカフィーネ:「今のは効いたでしょ!」呪いが効かないことに動揺しつつ。


アルボルシニア:「ぐう!?…穢らわしい人族が…調子に乗るなよ…」


レドが魔法【カウンターマジック】を拡大。パーティ全員の精神抵抗を+2。ヴォックスに【かばう】を宣言して手番を終える。


レドHP48→51


「ワワーッ!」

門番のヘビーアックスがオーガに命中。


オーガHP33→25


門番HP27→30


ヴォックス:「次はガードを抜いてやる!」

ヴォックスの【アイスボルト】がアルボルシニアに直撃!


アルボルシニアHP37→26


ヴォックスHP19→22


—3ラウンド目

オーガの【リープスラッシュ】がナージェンカを襲う。10点ダメージを【フィールドプロテクション】で1点軽減し9点ダメージ。


ナージェンカHP30→21


アルボルシニアの【ファイアブラスト】が再び前衛を襲う。3人の抵抗は失敗!


ヴォックスHP22→8

レドHP51→42

門番HP30→21


レドがルカカフィーネに【ファイア・ウェポン】を使い攻撃力を底上げ。ヴォックスに【かばう】を宣言しさらに【マルチアクション】でオーガを殴るもまさかの1ゾロ自動失敗。


レド:「この身体にまだ慣れないな…!」自分にファイア・ウェポンしなくてよかったー。


門番の斧ブンブンがオーガに命中!!と思いきや威力決定で1ゾロ(自動失敗)!!


門番:「斧がー…斧がー!」


ヴォックス:「そろそろくたばれよ!」ヴォックスのアイスボルトは抵抗されるもアルボルシニアに6点ダメージを与える…!


アルボルシニアHP26→20


ヴォックス:「やっちまえフィーネ!」



 「鬱陶しい!この程度の魔法で我が怒りの炎は消せんぞ!人族よ次の一撃で燃やし尽くしてくれる…」氷の弾丸を振り払い、詠唱を始めたアルボルを静かに見つめるものがいた。


 乱戦の喧騒の中、アルボルの両の眼球の動きすら追えるほどに集中力を研ぎ澄ませたルカカフィーネ・ネルラス・バジルキラは、鋭く息を吐くと1秒間その目を閉じた。


 開眼すると同時に背中のえびらから魔力の矢を番え…放つ!


 一切の淀みのない流麗な動作から射られた矢は、巣に帰る隼のようにアルボルの眼球をまっすぐ打ち抜いた。


 物理的な防御が意味をなさない魔力の矢に抵抗する術はなく、短い呻き声とともに戦場を包んでいたアルボルの火は消え去った。



ヴォックス:ルカカフィーネ様〜!

レド:やったー!!


GM:残されたオーガは遮二無二ヴォックスに殴りかかります、が…。レドがその攻撃を防ぎます。


レド:「どんな時も頭に血が上ったやつは終わりだ」

ヴォックス:「へっ!お前も戦局を見誤ったクチかよ!」


門番:「わーっ!わーっ!」と斧を振り回します。あっ、当たりました。


GM:モブい。ではオーガは「こんな死に方は嫌だー!」と叫んでいますがまだ生きています。


ルカカフィーネ:「お疲れ様、バジルキラの弓で死ぬんだから光栄に思いなさい」ごく普通に放った弓でオーガの眉間を打ち抜きトドメを刺します。


ナージェンカ:弓シューつえー!

ルカカフィーネ:弓はオワコンじゃないんじゃい!


GM:皆さんは勝利しますが、オーガバーサーカーとドラゴンの戦いはどうなっているのか見ると…。



GM:消耗してはいるものの無事のドラゴン…もうガナルと言ってしまいますが…彼がオーガバーサーカーを咥え、ゼロ距離でブレスを放っているところでした。


門番:え…。

ヴォックス:こいつ、そんな強いの…?

ナージェンカ:もしかして…ガナルさんは“幼い見た目を望んでる”ってこと…?


門番:「はは…ドラゴンって、すごいや…ははは…」

ヴォックス:「心配する相手を間違えたな…」



GM:やがて皆さんは塔の方からリーラと連れ立ってバイナルがやってくることに気づくでしょう。

レド:おっ、よかった!


ガナル(GM):「こんなことで良かったのか…?バームの子、バイナルよ」

リーラ(GM):「あー!がなるー!」と言ってガナルの背中に飛び乗ります。


バイナル(GM):「みんな…!大丈夫だったか…。えと、紹介するよ。母さんの友達の…リラリス・ハシグレ。そしてガナールジア・レーゲン・ウォルドーレ、さん」


GM:リラリスは40年前にはもう既にメリアとしての生を終えて樹木になっていた存在なのですが、シャロウアビスに飲まれた時にバーモット達と同じように遊べる体、子供のメリアの姿になりました。既に人族としての脳や精神とはかけ離れた存在になって久しかったので、対話が難しかったんですね。


GM:ガナールジアは本来レッサードラゴン(若ドラゴン)ですが、今はドラゴネット(幼ドラゴン)の姿をしています。


バイナル(GM):「40年前、炎のブレスが吐けるせいでエルフ達から追われていたガナルを保護したり、樹木と話せることからリーラと仲良くなったのがうちの母ちゃんなんだってさ。そんで…2人とユゥスを引き合わせて一緒に遊んでたらし…って、そうだ!外に出なきゃ!」と言ってガナルを見ます。


バイナル(GM):「外で蛮族にユゥスが捕まってるんだ!…力を貸してくれ!」



ガナル(GM):「無論だ…我がかけがえの無い友のもとへ、行こう」


ナージェンカ:「あっ、でも外に出たらお2人は元の姿に戻っちゃうんですよね」

門番:「そうか…!特にリーラさんは樹になっちゃうなら…えと、なにかお母さんに伝えたいこととかないですか?」


リーラ(GM):「おかあさん?ばーむ?すき!ばーむだいすき!」

バイナル(GM):「大丈夫だよ、母ちゃんはリーラと普通に話せんだからさ」と笑います。


門番:「あ、そ、そっか!じゃあ、いつでも、話にこれるんだね、よかった」


ルカカフィーネ:「じゃあ、この気持ち悪いとこからさっさとエルフの森に帰りましょ!」


 ガナルが塔の最上階に向けてブレスを吐くと、塔の上部は丸ごと吹き飛び、瓦礫の中に虹色に光る怪しげな欠片が見えた気がした。


 そしてシャロウアビスは軋み、歪み、夢のように弾けた。

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