Chapter9.フレジスファ原初都市
GM:さて、皆さんがわいわいしていると、「鋼鉄の糸団」の神官アナジア・フェルスアがこのフレジスファ原初都市について教えてくれます。
アナジア曰く、この都市を含む巨大な大樹はそれ自体が神紀文明時代(遥か昔の人族が最も平穏だった時代)の遺跡とされており、現在でもどのような存在なのか議論されているのだという。
このラクシア世界において始まりの剣によって生み出された最古の植物であるとする者や、この遺跡こそが伝説の生命の樹ユグドラシルであるとする者、はたまた妖精神アステリアと懇意にしていたメリアの果ての姿なのだとする者もいる。
(人族に内包されるメリア種族についてはご存知だろうか。メリアの長命種というのは人間のような姿のまま100年以上を生き、その後大地に根を張り樹木としての第二の生を過ごすのである。メリア種族はこの木になってからの時間を非常に尊いものとする傾向があるので、くれぐれも死後に樹木になるなどと言ってはいけない)
GM:ともかく何なのかは確定していないが、このフレジスファの大樹は神紀文明時代以前からここにあるというのは間違いない事として伝えられているようです。
アナジア(GM):「伝承によりますと、神紀文明時代にアステリア様から命を賜ったエルフの方々が森羅精霊の秘術を用いて、数千年かけてこの樹の形をゆっくりと都市の形へと成長させてきたのだそうです。そして現在ではこのような壮大な姿へとなったのですわ」とフレジスファ原初都市を見上げる。
GM:原初の樹と呼ばれる、都市となった大樹をよくよく見ると、そこかしこに家などの建造物があります。しかし皆さんが知ってる木造建築とは違い、木を打ちつけたり組み合わせているのではなく、建物がまるまる生えている、という風に見えます。
GM:これがアナジアの言ったエルフの秘術。木を切るのではなく望む形に育てることで建物状の枝や幹を作っているんですね。もちろんこの原初の木を切って木材なんかにしたら重罪です。なのでこんな方法になっています。
ヴォックス:「つまりなんだ…?この巨大な樹の都市は…マジでひとつの木からできてるってことか?」
アナジア(GM):「そういうことになりますね。原初の樹の殆どの部分は生命活動を終えておりますが一部はまだ生きており、生命活動を終えた部分もエルフの方々のケアによって腐食したりはしないそうです」
GM:エルフ達によればこの樹こそが生命の始まりであり、存在そのものが偉大なる芸術であり、現在でも人族が住んでいるという他に類のない赫々たる輝かしい神紀文明時代の遺跡なのであるぞとのことです。
門番:「はえあ〜〜……そりゃ火の持ち込みもダメになりますよね…。だってだって、この街全部が…村長の家にある高いお皿みたいな、ことですよね…つまり…」
レド:「まあ、そう…か?」
門番:「僕あれを持つだけで震えちゃうんですよ。うわあ〜〜!こわいこわいこわい…」
ナージェンカ:「すごいなあ〜」自分が信仰する神様がいた頃より前の時代からあるものなのか〜、と見上げています。
ヴォックス:「それで…?すげーのは分かったけどよ。結局あんたらは何の用でここに来たんだ?」と鋼鉄の糸団に聞きます。
メイ(GM):「ないしょ」メイはヴォックスの言葉にふふーんと笑います。
ルカカフィーネ:ヴォルクシミリアンは敬意が足りてないわね〜とか言いながら、素敵に変身リボンを使ってザ・妖精って感じの衣服に変身して駆け回ってます。
レド:はずかし〜〜〜。
門番「あああの落ち着いて…!」
ルカカフィーネ:「これが落ち着いていられますかって!どーおバイナル!」
バイナル(GM):口をぽかーんとあけて、都市の壮大さに絶句してます。
レド:「お前の母上の故郷なら、お前にとっても故郷みたいなものだろう。どうだ感想は」
バイナル(GM):「や…さ、さすがイラド家って感じだよなああ…!」
GM:バイナル少年は全然第二の故郷みたいな感慨はないです。が、母バーモットの秘密、顔料の秘密がここにあるならばそれを解き明かしてみせる!という確かな炎は彼の中に感じます。
ナージェンカ:お〜。
レド:賢い子。
GM:そんなこんなで、鋼鉄の糸団とは別れて皆さんは顔料ユゥリーラガナルの採取方法を調査しなければいけません。
レド:聞き込みっていくか…。
ヴォックス:オカンのことも顔料のことも何もわかってないもんね今。
GM:聞き込みをするならまあこの都市には一般的な施設はあります。宿とか酒場とか史料館やアステリア神殿とか…あとど忘れしちゃったな樹の神。
ナージェンカ:ダリオン?
GM:それです!樹神ダリオンなどの神殿もあります。あるいは政治を行なっているエルフだったり、その辺をぽけーっと歩いてる長命メリアに聞いてもいいかもしれない。
ナージェンカ:お母さんの友人を探すのが良いのかな?
ヴォックス:ユゥとリーラとガナルか…。
門番:それはよさそうですよねー。
GM:このフレジスファ原初都市での探索は二チームにわかれて情報収集してもらいます。で、バイナルを連れてった方のチームはさっき森で急にバイナルが走り出したこととか聞いてもいいかもしれませんね。
レド:とりあえず公用語がエルフ語と魔法文明語なら、エルフ語話者のルカカフィーネと魔法文明語話者のレドは分けた方がいいよね。
ルカカフィーネ:そうね、あと護衛対象だし人数が多い方にバイナルを連れてこう。
PL一同:どうするどうする?
GM:さあ、決まったかな?
相談の結果以下のようにチーム分けされた。
ルカカフィーネ、門番チーム
レド、ヴォックス、ナージェンカ、バイナルチーム
GM:では門番ルカカフィーネチームはどういう所に聞き込みに行きたいですか?
ルカカフィーネ:個人的にはエルフの偉大さを示すために史料館とかに行くのかなあ…と思ってます。
門番:エルフしか入れなさそうなところとかありそうだなあと思っているのでそういうとこに行きたいかな。政治的なところとか?
ルカカフィーネ:まあどこでもエルフの偉大さを知らしめるだけですよ。
門番:じゃあズンズン進むルカカフィーネについていきます。
レド:それで大丈夫か?
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