Chapter4.大草原を行く
GM:君たちは列車内で2日ほど過ごし、マグノア草原国の入り口、フィノア大草原に面する小さな駅で降車する。風は冷たいが旅人向けの宿や商店、ライダーギルドなどもある。なにか必要なものがあれば買えるかもしれません。
ルカカフィーネ:列車から降りたら「ふっかーつ!」と元気に伸びをします。
ヴォックス:こっからは徒歩って言ってましたっけ?
GM:そうですね。フレジア森林国に入国する際に、まさに森林を突っ切らなければいけないのですが森の中に流れている川を進むのが最も安全とされているんですね。なので草原を200kmほど歩いて、目的となる川を目指していきます。
レド:200km!
ナージェンカ:なかなか大変そうな…。
レド:レドはライダー技能あるので馬車とか借りる?
GM:なるほど、良いですね。では移動手段について考えると、いくつかの方法を思いついたことにしましょう。選択肢としては4つ!
①徒歩で行く。
②馬を何頭か借りてそれで行く。
③キャラバンに相乗りさせてもらう。
④象を何頭か借りてそれで行く。
レド:え、象?
ナージェンカ:ぞう!?
GM:象でパオンパオン行く。
レド:えー。
ナージェンカ:象じゃないかなあ。どう思いますか皆さん…!
GM:ちなみに象の場合は1人頭2000ガメルと結構な金額がかかります。(まあそれに見合う恩恵はあるけど…)
ルカカフィーネ:たっか!
ナージェンカ:は〜…。あれ、今回の依頼って前金あるんでしたっけ。
GM:150ガメル。
門番:1人頭30ガメル…。
GM:まあ、皆さんの…現在の所持金を見ると…とりあえず全員分のレンタル代に足りはするので、誰かが立て替えたことにして、実際に引くのはセッション後にしましょう。成功しなかったらみんなで借金です。
PL一同:(やいのやいのどーするどーする)
GM:さあ答えを聞こう!
ヴォックス:「象だろ!」
ルカカフィーネ:「象にのるべきだって神様が言ってる気がするわ!」
ナージェンカ:「ハルーラ様の声は聞こえないけどお、象。いいんじゃない?」
門番:「ちょ!いいのかい!?」
ヴォックス:「超一流の冒険者様が歩いていけるかよ!優雅に象にでも乗ってた方がらしいじゃねえか!」
門番「そ、そうかなあ!?」
レド:「まあ経験は必要だ。グフルミアに象が攻めてこないとも限らないからな」
門番:「レドさんまで!?」
GM:ではそういうことになった。
ルカカフィーネ:だれかたてかえて(所持金0ガメル)
GM:では3頭の象が御者によって連れてこられます。2人1組で象に乗ってもらいます。
ナージェンカ:ナージェンカは生き物を見上げる、という馴染みのない行為に感動を覚えてます。
門番:「ちょっ、象、本当に来ちゃいましたよ!」
GM:「ぼくたちに乗るといいぞう〜」
ナージェンカ:おっ!?
レド:お?
ヴォックス:「おっ、良いじゃねえか!乗らせてもらうぞう〜」
GM:と御者が言います。
レド:御者か…!
象の上に登ると、フィノア大草原のからっ風が一層強くなる気がした。
「わあ〜最高ね!こんな高さからだったら、どんな遠くの的にだって矢が届く気がするわ!」
「ん〜、やはりこの高みからの見物、超一流の冒険者に相応しい景色だぜ!そうは思わねえか門番?」
ルカカフィーネとヴォックスのはしゃぎように反して、門番は青い顔をして目を泳がせていた。
「ひええ…物見台が動いてるみたいじゃないか…」
ヴォックスの後ろに同乗している、依頼者バイナル・イラドもまた震えていた。
「お、おいヴォックス!こんなの依頼に入ってないぞ!」
「なあに言ってんだよバイナル!この程度も乗りこなせないようでどうすんだよ。ちゃんと捕まってろよ!」
「お前の一流なんとかなんて知らねえよ!だいたい俺は冒険者でもねえし!」
「まあまあ、いいから見てみろよこの景色を…!」
ヴォックスに促されて恐る恐るバイナルが視線を上げると、濃いブルーから水色へと、絵筆を滑らせたように色を変える空が、もう手が届きそうなほどの距離にあった。
眼下には少し丸みを帯びた地平線まで草原が延々と広がっており、先刻まで乗っていた列車は、あの高速で街と街をつなぐ列車はバカバカしいほどのんびりと走っているように見える。
レプラカーンの小さな自分がこれだけ沢山の大地を、世界をいっぺんに視界にいれる日が来るなどとは、キングスフォールの街にいた頃は考えもしなかった。
GM:さて、象での旅は5日ほど続くんですが、その道中。君たちが象の上でゆらゆらしていると、前方から数頭の馬が駆けてくることがわかる。人も乗ってる。
レド:どんな外見か見えます?
GM:そうですね、皆さんはあいつら冒険者だなと感じます。そして彼らは皆さんの前に立ち塞がり声をかけてきます。
ナージェンカ:へぇ。
冒険者(GM):「おいおいお前ら!そのままフレジア森林国へ向かうつもりか?…なんだか怪しげだがまさかレプラカーンのガキを連れてやしないだろうな…?」身分証を出せ!みたいな感じで剣呑な雰囲気です。
ヴォックス:うわ面倒くさい感じのがきましたよ。
GM:彼らは「どうしやすボスに報告しやすかぁ?」「まさか顔料を…」みたいな話をしています。
ルカカフィーネ:もう完全に競合してるどっかのギルドの人だね。
GM:そうだね、キングスフォール中のギルドが押さえられてるという話だったから、そういった冒険者がいてもおかしくない。
門番:これは降りて戦闘になる感じでしょうか…?
ナージェンカ:なんか上手いこと言いくるめられたりしないかな。
GM:はい、そういう展開もあったんですが…象さんの圧倒的なパワーで皆さんは彼らを無視することができます。
門番:えっ。
GM:止まりやがれ!みたいに叫んでる冒険者たちが追い縋ってきますが、象がズンズン進んでいくとだんだんと疲弊してやがて諦めます。まあライダーギルドの騎獣に変なことをしたら当然犯罪ですからね、象の進路を塞げない彼らはあまり強硬な手段には出られません。
門番:「あれ?いまなにか…」
レド:「ちっちゃくてなにも聞こえないな」
象(GM):パオーン!!パオンパオン!!!
門番:「どうしたんだろうね、乗りたいのかな」
ヴォックス:「オラオラどいたどいたー!」
象(GM):パオーンパオン!!!
門番:「でも満席だしな…すみませーん!他をあたってくださーい!!」
ルカカフィーネ:バイバーイって手をぶんぶん振ります。
ナージェンカ:「いいのかなあー」って言ってます。
レド:「いや御者くん、象っていいね」と御者に話しかけます。
御者(GM):「そうでしょ旦那ァ!草原国の誇りでさァ!」
GM:…という感じでこのシーンはなんのトラブルもなく終わります。
ナージェンカ:いや〜、なにもなかったねえ。なにもなかったわけじゃないけど。
GM:そうだね。そしてこの1人2000ガメルの三象の恩恵というのは、実際皆さんが思う以上に大きいです。
レド:この我々というか、バイナル君がこの近辺にいるっていうのがバレなかった、って考えて良いんだもんね?
GM:まさにそういうこと!
門番:こういう展開は予想してなかったけどお金をかけた甲斐があったね。
GM:実はGM的にはこの選択肢選んだのは結構意外でした、高いし、多分馬の方が速いし。
ヴォックス:やあでも象ですよ!?
ナージェンカ:わかる〜。
門番:他のキャラクターやプレイヤーだったら違う選択するでしょうね。
GM:ね、皆さんらしい良いシーンでした。
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