アステリア様を彩るは ソードワールド2.5リプレイ
@hrbi
Chapter0.冒険の仲間
剣の作りし世界、ラクシア。
人族による文明が確認されている大陸の中でもひときわ大きい、“呪いと祝福の地”アルフレイム大陸。
その西部に位置するドーデン地方は西へ行けばシィーク海に面し、北へ行けばノーザンファング連山をはじめとする険しい山々が広がっており、全体としては比較的穏やかな気候をしている。
そんなドーデン地方最大の特色はなんといっても魔道列車を用いた鉄道である。
キングスレイ鉄鋼共和国が主導し、街と街、国と国の長距離移動を可能にしたこの鉄道網こそが“鋼の国家同盟”に血を通わせている。
そして、このドーデン地方最大の経済大国、キングスレイ鉄鋼共和国の首都キングスフォールから東へずうっと線路を辿り、マグノア草原国との中間ほどに位置する寒村(住民が言っているので構わないだろう)グフルミア村。
今この村を訪れれば、なぜこんな村にわざわざ駅があるのかと疑問に思ってしまうのも無理はない。それほどに牧歌的でなにもない、過疎が進んでいるとさえ言えるこの村には、しかしかつて“慈愛の麦粥団”という冒険者がおり、彼らが根城にしていた冒険者ギルド“麦粥亭”がある。
——だが、そんな有名な冒険者によってギルドが栄え村が賑わったのも今は昔。人間の成人年齢である15歳の女性マゴラ・ネイポリアがギルド長を務め、祖母ババラ・ネイポリアに支えられながら切り盛りするこの場所で物語は始まる。
GM:それではやっていきましょう!まずはこのグフルミア村の出身でもあるプレイヤーキャラクター、ヴォックスから紹介をお願いします。
ヴォックス:了解です!え〜彼は人間の男性、15歳で、ヴォルクシミリアン・ツヴァイ・ウォーレンと言います。愛称がヴォックス。両親と兄、そして双子の妹も冒険者の冒険者一家の次男です。ここグフルミア出身で麦粥亭のギルド長マゴラとは幼馴染です。
GM:ヴォックスは既に何度かセッションを経験して成長してるね。
ヴォックス:はい!フェンサー、フェアリーテイマーが5レベルの魔法戦士タイプなんですが筋力に恵まれず…。
GM:12かあ…。
ヴォックス:父が戦士で母がフェアリーテイマーなので母に似たんですねきっと。
GM:スカウトとレンジャーも2レベルとっていて、探索もある程度はできる、と。
ヴォックス:はい。ただ性格は成人してるとはいえ…ええと…まあやっていけばわかると思いますが(笑)まだまだガキです。あ、ただ、見た目は金髪赤目でイケメンなので!
GM:王道の若き冒険者って感じで俺は好きですよ。
ヴォックス:俺は、って言わないでー!
GM:では次はルカカフィーネさんお願いします。
ルカカフィーネ:はい、ルカカフィーネ・ネルラス・バジルキラ。典型的なエルフの弓シューです。銀色の長髪を後ろで結んでる13歳の女性で、シューター7レベル、エンハンサー3レベル。戦闘技能はこんな感じで、他にスカウト4、レンジャー3、セージ5を取ってます。
GM:マギテックは取らないの?
ルカカフィーネ:彼女のネルラス家は弓の名門として魔法文明時代から蛮族、特にバジリスクと戦っていたんですが、魔道機が発展したことで大破局が起こるまで軽んじられていたんですね。しかも大破局で魔動機が不調になると途端に手のひら返しでネルラス家は蛮族との戦いに駆り出されていき、そのせいもあって今ネルラス家はルカカフィーネとお婆さまの2人しかいません。なんで今のところマギテックは取りません!その内彼女の中で折り合いがついたら取るのかも。
GM:魔動機の最たるものである魔動列車に今回のシナリオでは乗ってもらうけど…。
ルカカフィーネ:もう初めて列車に乗った時から大っ嫌いですよ!…とはいえ、彼女は一族の誇りを大切にしてるプロフェッショナルの冒険者なので必要があれば使いますけどね。
ヴォックス:やだ若いのにしっかりしてるわあ。
ルカカフィーネ:そう。ただ現在所持金が0ガメルで更に借金が7500ガメルなんだよね!
一同:(笑)
GM:弓シューとして仕事していくとね…矢の代金がね…。
ルカカフィーネ:まあ彼女が役割に対して真摯だという証明でもあり、貧乏RPもおいしいので満足してます。
GM:良いですね。マジックアイテムの『素敵に変身リボン』と、呪いを付与する弓『ブラッドランサム』がどう使われるのか楽しみです。では3人目、レドさんお願いします。
レド:はーい、レドはタビットの男性で年齢は27歳です。タビットの平均寿命が50歳ってことを考えると結構大人になるんですかね。見た目は白いウサギが二足歩行で剣と鎧を身につけてるって感じです。戦闘技能はファイター7、コンジャラー6でかばうIIとマルチアクションを使ってバフをまきながらタンク役をします。
GM:器用ボーナス敏捷ボーナスともに1…!
レド:はい(笑)んで、人物的なところを説明しますと、彼は幼い頃に何度か命の危険に遭遇していて、その度に周りの他種族の子供が「神様が助けてくれた!」とか言って生還してるんですね。それで自分のようなタビットのことは誰が護ってくれるんだ?と愕然とするんです。
GM:タビットは種族の特徴として神の声が聞こえないからね。だから神官にもなれない。
レド:それで、じゃあ自分がタビットの神になってみんなを暗闇や危険から守ってやろう、と思って旅をしています。なのでただ強くなる、というよりは高潔でもあろうとする男です。
ルカカフィーネ:エルフにおけるアステリア神を目指してるみたいな感じだね〜。
GM:では4人目ナージェンカさんお願いします!
ナージェンカ:はい、ナジェズダ・ダヴィードヴナ・ヴァレリエヴナ・サハロヴァです。父からはナージェンカと呼ばれています。
一同:長い!
ナージェンカ:リルドラケンの女性で、導きの星神ハルーラ神を信仰しているプリースト、レベルは2です。彼女は元々グフルミア村からゴケルブルグ方面に6駅離れたストロバーグという村の生まれで、古書店を営んでいる父と暮らしていました。彼女は自分の母が自分の卵を産んですぐに亡くなったと聞いていたのですが、実は父の書斎で彼の日記を盗み見ていて、母が死んだわけではなく夫と娘を捨ててさる冒険者パーティの大黒柱としてコルガナ地方へ旅立っているということを知っています。それで自分も冒険への好奇心と母を探すため、母たちと似た冒険者パーティ“慈愛の麦粥団”の逸話が残るグフルミアに来ます。
GM:ナージェンカもお父さんと同じように商人をしてるんだよね。
ナージェンカ:そうですね。実家である書店『希望の星』という屋号をそのままもらって『移動書房 希望の星』として古書の行商をしています。ちなみにファーストネームであるナジェズダが古い竜の言葉で希望の星という意味を持っています。
GM:実は今回彼女だけが初期作成のPCです。1番経験点を持っているレドの10分の1!
ナージェンカ:他にもキャラクターはいるんですがGMから提案があって誕生したんですよ。
GM:そう、実は4月から募集を開始するソード・ワールド2.5リプレイコンテストというのがあって、我々が普段やっている“固定のパーティじゃなくて拠点である村やギルドが主役の群像劇”という遊び方を紹介したかったんですよ。
ヴォックス:なぁるほど、それでレベルが7、5、2とバラけてるんですね。
GM:もちろんレベル差があると判定の面ではかなり有利不利が出ちゃうんだけど、TRPG、特にソード・ワールドシリーズみたいなシステムはキャラクターのデータとしての能力に差があったとしてもキャラクター同士の個性が出た掛け合いとか冒険者としての力量差があるからこそ生まれる状況や葛藤なんかも楽しめるよ!固定パーティーでしっかり役割分担も楽しいけどこんな変な編成も楽しいよ!っていうのが見せられればいいな…(プレイヤー達を見る)(正確にはオンラインセッションなので視線は動いていないと思われる。)
ヴォックス:いやあ楽しみですね〜。
ルカカフィーネ:最高のセッションにしような。
レド:やってやるウサ。
ナージェンカ:特に自信は、ないぜ!
GM:オーケー!ではナージェンカがグフルミア駅にやってくるシーンから描写していきましょう。ま、リプレイを書くのは俺じゃないから気楽にね!
ドーデン地方中部にある小さな村グフルミア。その駅のホームに魔動列車が到着すると、珍しいことに降車する人物がいた。
肌は青みがかかった灰色の鱗に覆われ、頭には黒に近い灰色の角、背中の翼が時折ひょこっと動く。リルドラケンだ。見る人が見ればまだ3度目の脱皮を終えていない若い女性であることもわかるだろう。
彼女は空色の瞳の目できょろきょろと周囲を見渡し寒村の入り口へと歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます