あの日、あの時。
この物語と同じように、自分以外の誰かに向けた想いが、願いが、
その、声にはならない、たくさんの想いが、
あの空を飛び交っていましたね。
素晴らしい物語を、ありがとうございました。
作者からの返信
石濱ウミ様
こんばんは、澤田 啓です。
今回のお題『恐怖』が、私にとっては一番の難敵でした。
人よりも化け物よりも……平穏な日常を簡単に破壊する自然の猛威が、私にとっての最大の恐怖です。
10年経とうが26年が過ぎてしまおうが、乗り越えられはしない恐怖が存在することに……過去に向き合うことで再認識させられてしまいました。
物語の内容について、お褒めの言葉を賜り……そのことについては大変嬉しく思っております。
2021.3.16
今を生きることの大切さを実感しつつ……
澤田 啓 拝
『静』の中で繰り広げられる、災害の体験記小説ですね。
災害は特にパニックの『動』で描かれることが多いですが、静かに、災害時の緊迫した描写がとても深く胸を打ちます。
どれだけ沢山の命の天秤があったのか。救命士に感謝する主人公の気持ちが、『静』の中で『最大の感謝』を伝えていて、またそれを受け取ってくれた救命士の最後の言葉が苦しくて。
連絡のこない母は、いつまで待つのでしょうか。主人公の母のように、どれだけの人が愛する人の便りを待つのでしょう。
読みやすい文章でした。そして、優しい思いに包まれるお話でした。
『優しい思い』で恐怖から開放された主人公に、安らぎを願い。
七海美桜
作者からの返信
七海美桜さま
おはようございます澤田啓です、拙作への応援コメントをありがとうございます。
『恐怖』とは何ぞや……に対して、私が自身の経験も踏まえて導き出した出した回答は『天変地異・孤独・絶望』の三点でした。
主人公は物語の進行上、天変地異からは逃れられませんでしたが……最悪の状況の最中で、孤独と絶望からは解放されたのかも知れませんね。
災害発生時に救われる生命と喪われる生命……その取捨選択は人の貴賤や正邪、年齢や性差に関わりなく……人の手が介入でき得る範疇を超越した『神の見えざる手』が選別しているのだと捉えなければ、取り残された遺族の方々は気持ちに一定の整理をつけられないのでしょう。
2021.6.12
澤田啓 拝