「彬光の家族」を読んでから読むのがおすすめ。登場人物把握のためにもぜひに。単独ではちょっと、意味不明に感じる部分もあるかも……?
短編なのでさくっと読めますが、内容は濃いめ。ちょっと胸が苦しくなるような恋愛要素あり。今作も「彬光の家族」に続けて家族愛的なものをすごく感じます。
”私”はあまり性格は変わっていないけども、一途さは一層強くなっている感じ。そのせいで少し、視野が狭くなっていて、それと恋人との長い付き合いの長さからの慣れ的なものが、悪い方向に噛み合ってしまった感じでしょうか。
檸檬を皮ごと噛んだような作品。
最初に苦み、次に酸味、最後に清涼な香りが残る。
読後感がとてもよく、それまでの過程はそのために存在します。
心をきゅっと動かしたい方は、ぜひ読んでみて下さい。