第59話(ぬか喜びさせられたと思うの)時給上がったから勤務時間減らせ
はい。お久しぶりです。
はい。本日の話題は、題名の全てです。
橘の住まう場所でも、最低賃金が上がりました。
と言っても、千円は超えておりません。
で、基本給に付加給20円付いていたのですが、時給が上がったら付加給が10円減りました。
それでもまぁ、新卒から入って長年勤めた職場です。
レジ業務だと、土日祝+繁忙期には時給+100円。とか。17時以降は時給+100円。
とか、付いているところも多々ございましょうが、タチバナの職場にはそんな制度はございません。
さて。この『思いつくまま気の向くまま』をずっと読んでくださっている皆々様はご存じでしょうが。橘の店は、橘が就職した頃より従業員の数が、全体的に半分以下になっております。レジ員も半分以下となっております。レジ台数に対して本来はその倍の人数が居なければ、そもそも休みの回数を六回以上付けるにも無茶をしなければなりません。
でもって、他の部門は暇だから帰る。と言ったり、時間オーバーするから帰る。と言って、本来その部門が店を閉める前にやるナイトカーテンを閉めたりする作業も、レジの遅番に回って来て二年目。あ、家の店は食品の他にも園芸商品やペット商品、服屋カーピットなど色々入っていますが、その精算もレジの遅番の仕事です。
ですので、他の部門は気軽に暇だから帰る。ということができますが、レジはそんな風にはいきません。
お店によっては、それこそ、ナイトマネージャーなるものが居たり、レジの応援を呼びかければ、どんな部門の人も時には社員の方も店長ですら、レジ業務をしてくれるところもあるでしょう。
ですが。当然の如く、橘のお店ではそういう制度がありません。前もってお願いしておいて、そのときに入ってもらうという方法しかありません。
ですが、あらゆる部門で、一月の労働時間を170時間に抑えろ。という通達が来たそうです。お判りいただけますでしょうか?
ええ。世の中の労働基準法(ある意味では余計なお世話と言いたい制度。本当に困窮している人にとっては救いの決まり事だということは重々承知なのですが、残業代カットされると生活成り立たない地方民にしてみれば、人員足りてない職場にしてみれば、本当に余計なお世話な制度)では週の労働時間が40時間。それが大体四週間ということで導き出されたらしい170時間。
ええ。ええ。ええ。
本当に、解りますよ。
これで、時給が1100円で、土日祝+繁忙期、無条件でプラス100円。17時からは付加給でプラス100円。で、年に一回賞与。とかなら、まだ、解りますよ。
その全てないですからね。就職してから一度もレジ員だけはボーナス貰ったことありません。他の部門は貰っています。凄いですよね。しかも貰っていることを皆隠しているんです。凄いですよね。バレバレになっているのに、隠している意味あるのでしょうか?
それだけだって十分腹立たしいのですが。
上記の時間に照らし合わせると、一日に有人レジ三台しか開けられません。今は4台です。
あ、今、1台ぐらいどうってことないって、思った方いますでしょ?
高が一台。されど一台なんですよ。
だって、混んでいるときに、閉まっているレジが一台開いて、こちらにどうぞ~って言われたら、それだけ早く会計して帰られるんですから。あるかなしかだと、違うんですよ。
そして、扶養から外れた人たちが、扶養に戻った方がマシなレベルの給料になるんです。将来の保障より今の生活なんですよ。今が成り立たなければ将来なんてないんですよ。
でもって、橘家。今月新築完成し、住宅ローンの返済開始となります。
ローン払うのは弟なんですけどね、姉としては援助してあげたいじゃないですか。
ですから、長年勤めて、長時間労働して、前任者共の尻拭いをして、仕事したがらない面々の代わりに仕事して、面倒ごとをこなし、ボーナスもない中でようやく手取りが同級生で手取り20万超えている介護職の五分の四ぐらいになったと思ったら、また、13万円台に落とされる。
いや、解りますよ。
それだけ人件費圧迫していることは。
ただ、現実問題従業員半分以下になっているのに、人件費圧迫してるって。
時代に逆行して、店のサービスの低下をどんどん打ち出しているの経営者ですからね? それなのに、外部の人間に大枚叩いて、無駄なセミナー開いて従業員拘束して、売れないもの仕入れて来て、無駄な海外視察とかいって、従業員の話もレジのリアルなお客様の声も要望も全部無視して、挙句の果てに時間制限かけてさらに店内にいる従業員の数減らしてサービスの質を低下させて、レジ台数減らしてレジの混雑招いて、レジの疲労とストレスまして不満溜まってクレーム案件に繋がると言うのに、目に見えているというのに、過去にそう言うことが起きている実績があるのに!!
せめて、200時間越えている人は何とか200時間までに納めてくれ。と言うのであれば、どうにかこっちも努力してみようって思いますよ?
でも、レジって、十分前まではガラガラだったのに、なんでこんな行列できてる?!
ってことがざらにありますので、暇だからと言って休憩に行かせたり帰したりって気軽にできないんですよ。それこそ、混んだ瞬間に応援呼び掛けて近くの従業員が入ってくれるならまだしも、どこも人がいないからって応援に入ってくれない。
それを訴えても店長は面倒くさがりだから、そんなもん俺に行ってどうするんだって機嫌悪くしていなくなる。
だから、社長に直接直談判しに行っても、それをどうにかするのが橘さんの腕の見せ所って言う。って言うか、私はレジチーフじゃないんですけど?
そもそも、そうやって時間制限かけるのであれば、レジは今後一切精算活動はせず、翌日事務所がやればいいって話にもなるわけで。
だって、他の人たちが閉店と同時に変える中、レジ員だけが15分から20分毎日タダ働きなんですよ?
そしたら、ある部門のチーフさんが言いました。
だから、170時間に抑えたシフトを提出して、普通に日々のシフトは残業つけて入ってもらえばいいと。
ええ。ええ。悪魔の囁きです。
でも、実際問題そうしないとレジが回りません。
ただ、そうすると、本来8時間設定していたものを7時間設定に初め登録するのですから、今までは残業扱いされることのなかった一時間が残業扱いになるんですよ。
それって、返って人件費掛かるんじゃないのかと。
まぁ、私はチーフじゃないんですから、私が考えることでもないんですけど。
正直、橘を含め古参の面々は、割と50時間ぐらい減ります。それを手取り換算すると三万円から四万円減ります。年間だと約四十万減ります。
ええ。一人でそれだけ減るんですから、経営者としては減らしたいでしょう。それは解ります。解かりますが……
時給が上がっても、こうやって労働時間を削られて、逆に手取りを大幅に削られるのであれば、時給上がらない方が良かったんじゃないかと思う今。
いや、橘だって無駄に職場にはいたくはないですよ? 50時間って、約二日分ですからね。二日分自分の時間が増えるなら嬉しですよ?
でも、そのために手元に来るはずだった金額が入って来ない。だったら掛け持ちするかと言っても、都会のように働く場所が少ない田舎では簡単に掛け持ちはできません。いや、しようとすればできます。している人も確かにいますから。
ただ、掛け持ちして休みと言う休みを仕事に当てて、自由になる時間を潰してまで働くことに何の意味があるのかと、生きる目的を見失いそうで。
と言うか、こういう状態だからこそ、皆都会に出て行きますし。こんな状態だからこそ、やっとの休みにまで人と会いたくないと引き籠ったりして出会いもまともにいかず、人と関わることを拒絶して、未婚者増えたり、これだけ忙しく働き詰めで子供育てるとか無理って、なるんじゃないかなぁ……と思う今。
ある意味、卵が先か鶏が先かって話ですが、働く人がいないから長時間労働で稼げていたし、人が増えたから労働時間が減る。って言うのであればまだ納得いくのですが、人員増えたわけでもなく労働時間を削った結果、働く人の精神的物理的時間的ストレスが増えるだけって。なんなんだろうかと思うこの頃。
悪魔のささやきを実行した結果、経営者がどんな行動に出るのか。
時給上げたから労働時間大幅カット
と
提出シフト(偽装)実際労働時間(残業だらけにしてやるよ。なるべく減らす努力はしてみた結果)
どちらが法に引っ掛かるのか、詳しいお方がいらっしゃいましたら、ご教授お願いいたします。
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