第42話(一応区切りをつけてきました)だっていつまでたっても夢に出て来ないんだもの(怒)
私には怒る権利があると思うんです。
文句を言う権利があると思うんです。
だから、早く夢に出て来いといつも思っていたのに、一向に出て来ないので、49日が過ぎる前に、行ってきました。サブチーフのお家へ。
私と、元同僚二人と計三人で。
そこで私は、サブチーフのお母さまに心配されておりました。
サービスカウンター大変でしょうと。
今どうしているのかと。
負担をかけてしまって申し訳ないと。
逆に私たちは、お母さまのことが心配だと伝えました。
そして、思い出話や、その時何が起きていたのか聞いて、話して、泣いて笑って怒って、互いに心配して。あっという間に二時間半が過ぎていました。
お母さまは言いました。
一人でいるとただただ涙が出て来ると。
私も同じだと伝えました。
もう大丈夫かと思う日もありますし、話す相手によっては思い出話も泣かずにできるようになったし、ようやく情緒が落ち着いて来たのかと思えば、話す人によってはやっぱりまだ名前を出すのも辛ければ、話している最中に涙も出て来ると。
だから、趣味を持ってくださいと伝えました。
ただ黙っていては駄目だと。
ちゃんとご飯を食べてくださいと。
お母さまも、自分まで倒れたら妹さんが不憫だからと、しっかりしなければと言っておられました。
それでも、こうして話をしている時はいいけれど、お客さんが帰ってしまったら、やっぱり寂しくて辛いと仰られていました。
解ります。私ですらそうなんですから、ご家族はもっとです。
だから、また来ますと言って帰って来ました。
物語がストレスで書けなくなって数年。
そのストレスを発散するために、一月で四作品ゲーム原作書きました。
約一万字。一日で書いては出して、それを応援してくれたサブチーフ。
あと一つ書いたらコンプリートだと思っていた休みの日に、訃報を告げられ、また何も書けなくなりました。
だから、私には文句を言う権利と、私を置いて行ったことに対して怒る権利があると思うんです。
同僚二人は、私を置いて行ったという言葉に凄まじい共感を口にしてくれました。
でも、今現在居るレジメンバーにそれは通じません。通じないことを元同僚たちは解ってくれて、お母さまは「負けないで!」と言ってくれました。
だから私も、お母さまに負けないでと返しました。
話しの中で、元同僚たちはサブチーフと結構いろいろなところに行っていたんです。
でも私は、最初で最後の県内旅行だけ。これからコロナが治まったらいろいろ行こうという話をしてくれて期待を抱かせて、結局夢物語になってしまった私は、語る思い出がありません。
だから、その不満を夢の中で言おうと待ち構えているのに、一向に出て来ないんです! だから、ここにいる間に一度文句言おうと思って来ました!
と言ったら、いっぱい言ってくださいと後押ししてもらいました。
そうそう簡単には乗り越えられそうにありません。今でもぽつりぽつりと、サブチーフと仲良く話をしていて、訃報を知った人たちがこっそりと声を掛けて、頑張ってと言って行きます。マスクをしていて良かったと思います。目が潤んだのは誤魔化せないかもしれませんが、ビニールシート越しなので気づかれていないと思いつつ、「ありがとうございます」と言う声が震えないようにするのが精いっぱいで。
だから私は、サブチーフが亡くなったことを物語にしようとしました。
物語にでもして昇華しない限り、どうしようもない気がしたからです。
でも、そんなものをここに上げても……と言う思いがありました。
この今の状況を、ノンフィクションで書くのは、傷口に自分で塩塗り込むような行為ですし、それでもいいかとも思いましたが、完全に独りよがりだし、公開しなければいいのでは? と思うと、だったら書く必要ないのでは? となり、だったらフィクションにするとして、舞台は? と考えても、今の現状と合致する舞台をどうしても作れない。
でも、ここでまた何かを書かないと、書ききらないと、また書けなくなる。
だから、考えました。考えて考えて。ただ漠然としていた、最後のゲーム原作で書こうとしていた物語。アレを電撃大賞の短編ように書こうと。テーマは『置いてきぼり』になるのかな? いじれなくはないと思いました。
これは、和風の物語では描ききれないのです。
今ほど、自作の《心喰い》の彼らにちょっと助けて欲しいと思ったことはありません。
我ながら、なんとも言えないキャラクターを作っていたものですよ、本当。
明日も休みなので、明日はそのための物語のプロットを作って過ごそうと思います。
予定は未定ですが、一つ区切りをつけたので、別な一歩を踏み出そうと思います。
あ、一歩と言えば、当初、サブチーフの訃報を聞いたとき、今月下旬に遠征する予定だった東京国立博物館の見学。いけないじゃん。と思ったのですが、チケット無事に取れたので行ってくることにしました。あれだけ応援して喜んでくれていた東京国立博物館。
死ねばそれまで。死者は何も考えない。感じない。
死者が何を想うかは、生きている人間が想うだけ。
と言う考えもあるにはあると思います。
でも私は、証明できないものを否定するより、「あるかもしれない」と思う考え方の人間なので、もしここで行くのを止めたら、きっとサブチーフは落ち込むと思ったので、行くことにしました。(一方では、いい加減に体たらくな面々のために自己犠牲するのがバカらしくなったと言うものもありますが)
連日、スケジュール調整に四苦八苦しています。
知らない土地で、大きな駅もない北の田舎で暮らす私には、東京の駅は未知の領域なんですよ。しかも東京駅と新宿駅と上野駅。路線が多くて、調べてもこれどうやって乗るの? 乗るのいいけど、満員電車とかだったら、どっちの入り口開くの? 私降りれる? と言うか、吊革に手が届かないから、入り口付近に立っていないと捕まるものないんだけど? と言う不安もあるし、暗くなってから知らない土地を独りで移動するのも怖いものがある。しかも、アプリやサイトによっては発車時刻が違っていたり、そもそもその時間の運航がなかったりで、更にドキドキしています(と言うのも、日帰りのくせに、他県にもついでに行った上で上野に行こうとしているので、一歩間違うと大惨事になりかねない。マジで怖い)
こういう時、自分で行くわけでもないのに、時間を調べたり、その周辺の美味しいご飯食べられるところとかを調べてくれていたサブチーフ。今も生きていれば、周辺で時間潰せる場所とか色々検索してくれたんだろうなァと泣きそうになりながら思いを馳せつつ、あれやこれやと調べております。
区切りは必要です。
生き急いだサブチーフ。お母さまと一緒に文句を言って、笑い話して、思い出話に花を咲かせて、どうか心穏やかにゆっくりと乗り越えて行って欲しいと思いながら。
私を置いて行ったサブチーフに対しての恨み言を込めつつも、明日へ繋がる物語が生まれることを祈って、書いてみようと思います。
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