猟奇的な砂時計

陳:腐意

第1話

 月の光に照らされた頬の雫はおそらく僕が見る最後の景色なのだろう。

これといった後悔もない。寧ろこれが最後であるならばそれ以上の幸福はこの先の人生に訪れる事はないであろう。

「なんで・・・戻ってよ。戻らなければおかしいのよ。戻ってよ。」

繰り返し彼女の口から漏れ出る言葉。

その表情からは感情は読み取れはしないが、人は予想外のことに出くわすと笑うことしか出来ないは本当なのであろう。


「ありがとう」

そう僕は呟いて人生の幕を下ろすのであった。








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