わかれる
来未 希(くるみ のぞみ)
第1話 わかれる
もう少しで卒業だなー
短かったな何してたんだろう
思い出せないくらいの速度で時間が流れたなと思っている時に
後ろから大きな声で私の名前を叫ばれている
「のぞみー」「のぞみー!」
私の名前を叫んでいる親友のサユリがいた。
聞こえてるよー
どうしたー
「今日、ご飯の約束してるの覚えてるーー?」
相変わらず元気で声がデカイ
少し、恥ずかしいのでサユリの近くまで小走りをした
覚えてるよ
大丈夫だって
「だってさぁ」
「もう、数えるくらいしかこのキャンパスに来ないし」
「のぞみは直ぐに東京に行っちゃうでしょ」
「のぞみと私と翔の三人で遊ぶ事が無くなるかもしれないんだよ」
「毎日のように遊んでた私たち凸凹三人組が!」
わかってるって
一回、家かえって荷物おいたら向かうから
お店の予約の時間には間に合うから
また、お店でね
「覚えてるなら良し!」
「19時にいつものお店ね」
了解です!
私は、サユリに敬礼をするかの様に言ったのち別れた
翔と離れるの初めてかも
小学校からずっと一緒で
私はいつも翔に
またマネしてぇ
金魚の糞かよって言ってたのが昨日の様に感じる
さすがに今回はマネは出来ない状態になった
私は東京で就職し翔は地元で就職をする事が決まっている
地元が一緒だから私が夏とか正月に戻ってくれば会えるんだろうけど
なんだかんだ何時も一緒に居たって記憶はそう簡単には薄れないだろうし
ホームシックになるだろうなと考えると寂しさが急に溢れてくる
もちろんサユリも会えなくなると寂しい
元々、サユリは東京の子なのだが
喘息がひどく親が余りに苦しそうな姿をみて変な時期だったが高校の途中から編入してきた。
いつも元気なイメージしか無いサユリだが体育祭とかは
つまらなさそうに座ってた
そんな姿をみて翔はサユリに声をかけて
私たち凸凹三人組ができた。
なぜ凸凹三人組と言っているのか
それは
女、女、男の三人だから
凸凹三人組とサユリが言い出したのがきっかけ
翔は優しいし話しかけやすい人柄もありサユリは恋に落ちた
サユリは私にしょっちゅう翔君って彼女いるの?って聞いてきていた
私は、サユリに直接、翔に聞いてみな
そんなに気になるんだったらと、あしらっていた
いつからだろう
サユリが聞かなくなったのは
記憶がない
私も、翔に興味が無かったと聞かれれば
そうでも無かった。
小さい頃から一緒に遊んでいた私と翔は兄妹のように育った
翔が中学2年くらいまでは私のほうが背が高かったし
弟の様にみていたら突然
翔は背が伸びて急にかっこ良くなったイメージだったから
今更、翔に好きなんて言葉をかけるのも嫌ではないけど
ちょうど良い距離間だし居心地がとても良かった
私の一言でギクシャクするのが嫌で
自分が自分で翔に対する気持ちに扉を閉めていた
私は、家に着き荷物を部屋に入れた
待ち合わせの時間までまだ時間があったので
ベットにダイビングして一息ついた
しばらくして、私は待ち合わせの時間に
間に合わせる様に家を出た
店までは一回バスに乗り最寄り駅で降りて直ぐの居酒屋だ
ご飯たべて帰ろうとなったら
いつもの所と言えばココだった
週末という事でサユリは以前から予約をしていてくれていた
それだけ楽しみにしていたのだろう
もちろん、私も楽しみだった。
お店の近くになり着信メールを知らせる音が鳴った
私は、鞄からスマホを取り出しメールを確認した
サユリからだ
ごめん!支度に時間が!
遅れる!待ってて!
あんなに私に言ってた人が遅刻するかね
と思ったが文句言ってもしょうがないので
了解!と返信した
私は店に入り名前を言い席まで案内してもらった
「のぞみ!」
「おつかれさん」
翔の声が聞こえた
サユリ遅れるってよ
「そうみたいだね」
「俺のところにもメールきた」
なんか何時もの翔と違う気がする
髪型?洋服?
変わっている所はない
「いつまで立ってんの」
「座れば」
そんな時間経ってないでしょと思ったが
私は座った
15分くらいくだらない会話をして
「遅くないサユリ、大丈夫かな?」と翔に話しかけた
無言の時間が流れていた
すると
サユリからメールがきた
のぞみ!
ごめんね今日、行けなくなっちゃった体調が悪くなったとかじゃないから心配しな
いでね
チョッと長文になっちゃうかも知れないけど読んでね
翔はね、のぞみの事が好きだよ
いつも、のぞみの小さい頃の話するしその時の翔は素敵な笑顔だった
私ね、のぞみが直接きいてみなよっていつも言ってくるから聞いたの
そしたらね、好きな人いるって言われた。
今更、アイツにそんな事を言ってギクシャクするの嫌だから言えないし
これからもきっと言わないって!
めっちゃショックだったけど
私も、この距離感が一番、居心地が良かったから
そのまま私は扉をしめちゃった
その答えが正しいのか分からないけど
きっと
のぞみは今、言わないと後悔するでしょ
東京に行ってホームシックになっちゃうでしょ
翔の事を思い出すでしょ?
ちゃんと想いを伝えてほしいとおもって
チョッと頑張っちゃった
後でご褒美ちょうだいね
ではでは
急に何?
ひょっとしてこの間は
翔にも同じ様なメールを送っているって事だったりして
めっちゃ気まずいんだけど
何を話そう
いつもどんな話ししてたっけ
「のぞみ」
「サユリからメールきた?」
今日、来れなくなったって
ドタキャンとかサユリらしくないよね
焦る私
「なんかさ、俺たち姉弟みたいに育っていつも一緒に遊んで」
「気がつけば大学も卒業して今年からは別々になって」
「腐れ縁とかのぞみ良く言ってたけど」
「俺はそんな事を思ったこと無くて」
「、、、、、、」
翔がブツブツいってるから私は平常心になっていた
翔?
どうしたの念仏となえてるみたいで何も聞こえないよ
「え!」
「念仏って!」
「良し!」
「言う!」
「チョッと待ってやっぱりチョッと」
待ちたくない私は翔るに
翔!
一緒に言おう
サユリからメールきてるでしょ
たぶん同じ事を考えてるから
に・も・じだよね?
私がせーのって言うから
一緒に言おう
せーの
「すき」
え!
翔って私のこと好きだったん?
しらんかった!
うそだよ
私も好きだよ
翔が私より背が低い頃からすき
「俺も気がついたら好きになってた」
「駄目だと思いながら」
「他の女の子と比較しちゃってて」
「やっぱりのぞみが一番だなって」
お互いいつの間にか好きって気持ちを抑えていたのが一気に爆発した
サユリには頭が上がらないなずっと
わかれる 来未 希(くるみ のぞみ) @mikeneko2989
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