子奪り地

伝承 都市伝説

神隠し


【はぐれた子供

山で迎える日暮れ

夕闇が手招く道が

里への道か誰にも分からぬ】


山は現と隔たる異の地

幼子迷えば鬼が手招き

人の理外して攫う


異の地に奪られた幼子を

求め彷徨う憐れな母は

半鬼と化した我が子に喰われ

痛い痛いと呻いて果てる


山は現を隔てた異の地

麗し幼子神が手招き

人の理外して攫う


異の地に奪られた愛し子を

求め彷徨う哀れな母は

神子と化した我が子を殺め

神への供物と泣く泣く埋める


母に気付かず喰らった幼子

母に気づいて慟哭をあげ

母に気づけど埋められた幼子

母の暴挙に慟哭やまぬ


母を求める幼子と

我が子求める母の声

虚しく山に木霊して

異の地と現の狭間に消える

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