第16話 田んぼの鳥
小学校の通学路は多くの田んぼに囲まれていた。
その中で1番広い田んぼ─学校のグラウンドよりも広かった─の向こうには大きな竹林が広がっており、根本には古い墓が3つ建っていた。
ある日の学校帰り、墓のそばに大きな鳥が佇んでいるのを見かけた。
もともとこの近辺にはキジやらサギやらがよく現れるので大きな鳥など大して珍しいものではなかったが、この時なぜか私は鳥に違和感を覚え凝視した。
そして家に向けて駆け出した。
鳥の頭は人の形をしていた。
あれから二十数年。
同居人の圭佑と小学校のそばを通りかかった時、ふと気になって田んぼのある場所まで立ち寄ってもらった。
辺りは埋め立てられて住宅が沢山建てられていたが、件の広い田んぼだけは健在だった。
ただ『立ち止まり禁止』という文言と共に人の頭を持った鳥が描かれた看板が立っていた。
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