第17呟 小説家とは多重人格ではないだろうか
個性的なキャラクターの登場する小説は面白い。
ラノベをキャラクター小説という言い方をすることもある通り、ストーリー性よりも生き生きとしたキャラクターが暴れまわる作品のほうがいいとされる。
(もちろん、ストーリーがしょうもないとダメなんだけど)
自分の小説を見返してみるとキャラクターの没個性っぷりに嫌になる。
小説や映画、ドラマに登場するキャラクターたちの現実的にあり得ないような発言や行動を見て「いやいや、ありえないって」と心の中でツッコミを入れているせいか、自分の作る小説の中に登場する人物はどうも常識人よりになってしまう。
あり得ない発言や行動を止めてしまうのだ。
結果、個性のない面白みのないキャラクターが出来てしまう。
それが一人ならまだいいのだが、そういうキャラクターが二人も三人も……というよりほぼすべてのキャラクターがそうだったりするので始末に負えない。
そもそも、それらのキャラクターに命を吹き込んでいるのは一人の人間でしかないわけで、十人十色のキャラクターを思うように操ることなんかできるわけがないと思ってしまう。
現実世界の人間はバックボーンが異なり、それぞれ考え方が違うわけなのだから同じ状況に遭遇したときの言動というのは当然のことながら異なるのだ。
でも、自分が創るキャラクターのベースには自分がいるのだ。
いてしまうのだ。
排除しなければならないのだろうが出来ていない。
結果、わずかに異なっていても同じようなキャラクターになってしまう。
何十ものキャラクターを生み出せる小説家というのはもはや多重人格じゃないかと本気で考えてしまう。
小説家なんかが「キャラクターが勝手に動き出す」などと口にすることがあるが、緻密にキャラクターを作ってしまえばそうなるのだろう。いつか自分にもそんな日が来てくれればいいのにと思いながら今日も駄作を書き綴る。
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