未更生な日常を過ごす

加嶋 依

第0話

 某日午後。叶伊中学校の屋上。

 空は曇り、今にでも雨が降り出しそうだった。

 そんな天気でもある少年は屋上から教室に戻らなかった。

 文化祭の準備の影響で、所々に置かれているプラスチック製の箱を避けながら歩き、柵に手をかけ下界の景色を見下ろす。



 強い風が吹いた。冷たい風だった。


 少年は履いていた上履きを脱ぎ__柵の前で揃えた。



 僕は今日の今、中学校の屋上から飛び降りようとしている。

 自分を止めるものはもう、何もない。


 空虚な日々とはおさらばだ。

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未更生な日常を過ごす 加嶋 依 @kas1mayor1

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