第6話 組合長、ユージーン・スミスの思案
「アリアナが退学で、国外退去処分だって!?一体、何を考えているんだ、バイス王国は!?」
「自分達の方からすり寄ってきたくせに」
「どうするんだ、一大事業が頓挫するぞ」
「今はそれよりも、アリアナの安否だ」
「シスラ家は何と言っている?公爵家はもう知っているんだろ!?」
「シスラ家の機士団を動かして、アリアナを迎えに行くそうだ」
「大丈夫か?戦争になったりしないよな……?」
「アリアナに何かあれば、それもありえるぞ」
「マスター、“銃”を増産しておきますか?」
そこで一斉に俺に視線が集まる。
俺が何かを言う前に、すでに決定事項のように話すギルド所属の者達を、一度なだめる必要があった。
「まてまてまて、気が早い。落ち着け」
連絡員のマルコから超長距離通信で伝えられた事は、ギルド内を一瞬で混乱に落としめていた。
公爵家の方には、アニー様から伝えられている。
と言うことは、もう王家にも知らされている。
両家はどうでるか……
アリアナが無事でさえあれば、苦情を入れる程度で事を治めるかもしれないが、もし、万が一アリアナに何かあれば……
ふぅ……
「今は、平時の業務内容で動いてくれ。ギルドとしては、指示を待つ」
そう告げれば各自、自分の担当に戻っていった。
とりあえず、在庫の確認をしておくか。
無事でいてくれよ。アリアナ。
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