異世界転移しています!〜ここは「ライオット オブ ゲノム」の世界です〜

砂漠の使徒

第一章 異世界転移しました!

第1話 ここはどこ?

「う〜ん……」


 ここはどこ?

 この建物……なんだろう?


 確か昨日はお家で佐藤と寝たはずなんだけど……。


 いつの間にか知らない場所……?


「どうしよう……」


 とりあえず、この建物に入ろっかな。


 私はそう思って、玄関ドアを……。


 ゴン!


「痛っ!」


「え!」


 突然開いたドアに頭をぶつけた。


「もう! 危ないじゃない!」


 私は頭をさすりながら、抗議した。


「あ! ごめんなさい!」


 さっきドアをぶつけてきた白髪の女の子ははっとして、頭を下げた。


 この子がさっきドアを開けたの?

 謝ってくれたし、悪い人じゃなさそう。


「ううん、気にしないで」

「私も……」


「ほら、シエラがいつもみたいになんにも考えずに飛び出すからそうなるんだぞ」


 後ろからお兄ちゃんみたいな人が出てきた。


「いつもみたいにってどういうこと!?」

「なんにも考えてないわけじゃないもん!」


 白い髪の女の子は頭を上げて、隣りにいる男の子に怒り出した。


「ふふっ」


 私は彼女のコロコロ変わる表情に思わず微笑んだ。


「シエラも悪気があってやったんじゃないんだ、許してやってくれ」


 シエラって今頬を膨らませて怒っているこの子のこと?


「大丈夫、怒ってないよ」


「やったー!」


 シエラちゃんは飛び上がって喜んだ。

 ホントに感情豊かだなー。


「それで……この孤児院になにか用があるのか?」


「孤児院?」


「あれ、知らなかったのか?」


「ここはね、私達のお母さんの孤児院なの!」


 私達って……。


「二人は兄弟なの?」


 私が尋ねると、二人は顔を見合わせた。


 あれ?

 なにか変なこと言ったかな?


「そうだよな、シエラ」


「うん!」


 シエラちゃんが満面の笑みを浮かべた。

 この兄弟、すっごく仲が良さそう。


「いいなー……」


「それで……名前を教えてくれよ」


「そうそう!」


 二人共私をじっと見つめた。

 そんなに見られると、緊張しちゃう。


「私はね、シャロールっていうんだ!」


 すると、二人も私に続いて名乗ってくれた。


「私はシエラ!」


「俺はユーリだ!」


 シエラちゃんにユーリ君……。


「よろしくね!」


「ああ!」


「よろしく!」


 私達は握手をして……。


「あら、二人共まだここにいたの?」


 またまた知らない人が奥から出てきた。

 誰だろう……。


「お母さん!」


 お母さん?

 この人がシエラちゃんの?


 それにしても、シエラちゃんはお母さんが好きなんだなー。

 すっごくいい笑顔。


「シャロールがこの孤児院に……」


 シエラちゃん、説明してくれるのかな?

 あれ、でも……。


「なんで来たんだっけ?」


 シエラちゃんがテヘッと舌を出した。


 そうだよね、私まだ何も言ってないもん。


「私……」


「シャロールちゃんって言うのね」

「とりあえず中に入りましょう」


「行こ行こ!」


 私はシエラちゃんに手を引っ張られて中に連れて行かれた。

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