君へと届け
砂上楼閣
第1話
飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ
あの天高くにある青空を目指して
どんどん世界は広くなる
あの青が広がっていく
世界が青く染まっていく
でも届かない、掴めない
どこまでも、どこまでも
羽ばたいて、羽ばたいて
高く、高くのぼっていく
けれど、届かない、さわれない
目の前一杯に広がる青い空
全身が包まれている
一つになった、そう錯覚してしまう
けれど、何もない
何も掴めない
地上で眠るあの子に
この青くて広い空の
ほんの一欠片だけでも
プレゼントしたいのに
どこまでも高く
どこまでも、どこまでも高く
苦しいくらい高くまで
のぼっていっても
あの空には、届かない
どんなに頑張っても、届かなくて
飛べる限界よりももっとずっと遠くて
きっと、地上で眠るあの子の心は
あそこにあるはずなのに
一欠片でも持って帰れば
またあの眩しい笑顔を向けてくれるはず
空に還ったあの子の魂は
あの青くて遠い空よりも
ずっとずっと遠くにあるのかな
あの太陽みたいに
明るくて、温かい、あの子の笑顔
何もない空っぽな私には
明るく元気なあの子がいないと
だからどこまでも、どこまでも
飛んで、飛んで、飛んで
届け、届け、届け…!
君へと届け 砂上楼閣 @sagamirokaku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます