わたし小説家もしくは童話作家を目指しています

あいる

第1話「直感」と「直観」って何それ美味しいの?

 ──わたしのおとうさんとおかあさん──


 おとうさんは大きなトラックにのるおしごとをしています。


 きゅうしゅうとかとうほくとかにおにもつをはこぶおしごとです


 なので、まいにちはかえってきません


 おかあさんもおしごとをしているので、わたしはおとうとのリョウくんとおるすばんすることがおおいです


 リョウくんはちいさいからおねえちゃんがちゃんとまもってあげなきゃだめよとまいにちいわれます


 でも


 リョウくんはいたずらがだいすきです


 わたしといっしょにブロックでおおきなおうちとかつくってるときも、リカちゃんにんぎょうであそんでいるときもこわしたり、おようふくをかくしたりします


「そんなんしたらあかんで」

「はやくかえしてや」


 たまにケンカをします


 リョウくんはちいさいからしかたないけど、わたしはときどき、イライラしておこってしまいます


 そうしたら


 リョウくんはなきます


 そして、おかあさんがかえってきたらもっとおおきなこえでなきます


「また、おとうとをなかして、アカンやろ」


 わたしはおかあさんにおこられて、なきそうになるけどおねぇちゃんだからがまんします


 おとうさんとおかあさんはいつもケンカをします


 わたしはがまんするのに、どうしておとなはがまんしないのだろうといつもおもいます


 わたしがないてるとき

 なにもいわずにだっこしてくれたらわたしはなきやむし、リョウくんだってそうです


 だからいっぱいケンカしたときは、リョウくんをだっこします


 それなのにどうしてケンカをするのでしょう




 たくさんだっこをすればいいのにっておもいます






 ~おしまい~

 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

はぁ、また落選しちゃったよ。

 小説家や童話作家を目指している私は、あちこちの出版社のコンテストに応募する最終選考に残ったことはたった一回だけで、その時の編集者の言葉が頭から離れない、もちろん残念メールの中のほんの数行の言葉ですけど。



 川崎実花様

 ──「直感」と「直観」が違うことを知ってますか?

 あなたの紡ぐ言葉には語彙力が欠乏しています、言葉の意味とかをもう少し考えながら書いてみてください、次のコンテストに期待してます。──


 その日から実感と実観の違いを調べているが、ちんぷんかんぷんで、部屋の角で体育座りしてどんよりしている。



 部屋の灯りを付けずにぼっーとしていると、鍵をガチャりと鳴らしながら康太が入ってきた。


「実花!LINEの既読くらいつけろよ!心配するじゃないか」


 思わず私はその胸に飛び込んで、「だって~」っと泣きついた。


 「直感」と「直観」

 その話をすると、大学で文学部だった康太くんがたくさん例えを話してくれたりしたけれど、余計に分からなくなって悲しくなった。


 私って作家には向いてないのかなって時々思うけど、こうして書いてる。それだけは「直感」ではなくて「直観」だって確信してるから。

とりあえず康太くんに心配かけないように、スマホをテーブルに置いてっと……


──LINE♬︎♡──


きゃ〜

いつの間にかたくさんメッセージが来てる。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたし小説家もしくは童話作家を目指しています あいる @chiaki_1116

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ