廃墟を漁る
廃墟の中に入ると、そこはジメジメしていた。
とはいえ、完全に家が保存されているわけではなく天井は穴が開いていて、雨が降った事で床にカビがあって、キノコが生えて雑草が生えて、そしてその近くにはカラスの頭蓋骨の骨があった。多分カラスはここで暮してそしてここで死んだのだろう。どういう最期を遂げたのだろうか。そんな事を考えたけど、どうでも良かったので思考を切り替えた。
「さて、服か、あるいは何か使用できそうなものはないかな」
独り言を言いながら家を探す。そしたらヘビが出てきた。アオダイショウで毒がないのは分かっていたからひねり潰したらレベルが上がった。称号も蛇大将とかいう称号を貰った。あまり嬉しくはなかったけど、貰えるもんは貰っておいた。というか返し方しらないし。で新たに覚えたスキルが踏みつぶしで、躊躇なく踏みつぶす事が出来るというスキルでそれは何かスキルと言うより、罪悪感を遮断する精神支配みたいな気がしてあまり嬉しくはなかった。家の中を探していたらまだ荒らされていない押入れから布団とか毛布とか下着とかが出て来て確認したら着用出来そうだったので着用してようやく裸ん坊から解放されてヒャッハーな気分だった。
「待てよ。缶詰があるかもしれない」
もうすっかりロープレの主人公の気分で家の中を漁る僕、缶詰はあって賞味期限は切れていたけど死にはしないだろうと腹をくくって持って帰る事にした。廃屋を根城にすることも考えたけどここだと、人との遭遇確率が上がりそうな気がしたのだ。好奇心旺盛な少年達がたまにくるんじゃないかって思ったりしたからだ。だから僕は何回も往復しながら穴に資材を運ぶことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます