第13話 ダンジョンと変な行商人

こちらは場面が変わって 大きなメインであるダンジョンの方 

ダンジョンの中の小さな町

その階層にはモンスターは完全に駆逐され


大地と光の二柱の女神達の加護により

昼には淡い光が満たされて 木々に緑、花々も咲き 清らかな小川に

小さな温泉まで幾つか あった


万が一の緊急避難の為に 小さな階段通路に

普段よく使われる 転移用の大きな魔法陣 ほのかに白く光っていた


街のメイン・ギルド紅花の持ち物 使用料がかかる代物

もしもの時 大きな騒動や災害など

緊急避難の時には それは免除される・・らしい


勿論、この大きな転移用魔法陣は 街のメイン・ギルド紅花の作ったもの 

それ以外でも

小型サイズであれば高レベルの魔法 あるいは魔石の1回使用でも使えたりするが・・


安全で特別なダンジョン内の階層 小鳥の声が聞こえる

ダンジョンの町の出店兼宿


木々などの森の中にレンガなどで出来た綺麗な街並み 他の店と共に 

ののちゃ店の者達が頑張っていた

「はあい ののちゃ店です いらしゃいませえ」エルフの少女がにこやかに微笑む 


「あらら?」「すまんが 油断して モンスターに怪我を負わされて・・」

「悪いな 頼んでもいいか?」怪我人多数のパーテイ達が声をかけた 

少々、困っているようだった


「はい 大変でしたね お任せくださいませ」治癒魔法を使える者達が呼ばれ 

ヒーリングをかけている


「ど、毒にやられた 毒消しの薬が効かない」別の数人の冒険者


「これはいけませんわ すぐ近くの司祭様を呼んできて」 

「それと薬師さまもよ」「はい、ですう」お手伝いの小人 コロボックルが駆けだす 


他の冒険者たち、客達には 別のメイド姿の少女が対応している

「お宿ですが 特別室の広い和風の部屋が 今は三割引き しかも温泉一回分つきですよ」

「たのむ」「はい」


「ののちゃ店 洋室は今なら 二割引きですよお」別の女の子も冒険者達に話している


横に設置された可愛い感じの販売店では お弁当やポーションが売られていた


「特製ピラフ弁当~デザートつきです」「こちらは 唐揚げ弁当」「単品のパスタです」

「たった今、本店 ののはな亭から到着した 出来立てですよ」


「あ、ポーションと毒消しですね」「水の魔法入りの魔石ですか?」商売繁盛

ののちゃ店だけでなく そうして他の店も沢山の冒険者たちで大賑わい

「今日は温泉で 身体を休めそうね」「ああ 楽しみだ」



その頃 岩だらけのダンジョンの12階層では

久しぶりに出現した 狂暴な大型モンスター達に幾つかの冒険者パーテイが挑みかかり 

大騒ぎとなっていた「あっちの敵を攻撃してくれ」「はい!」


「うわあ!溶ける液を吐いたぞ」「大丈夫か?」「はい!リーダー」

そこにクエスト発生のファンファーレが鳴り響く


「クエストか」「どの店のヘルプが呼べない」

「呼べるのは 全滅の危機になった時だけか」

青くなる冒険者達


「そ、そんな 今、この時に?」「どうする?」「何とか頑張るしかないだろう!」

「・・特別ボーナスは出るが どうしたものか」「そうだ だが・・」

その間にも 敵モンスターからの攻撃

「うわああ!」「落ち着け 大丈夫だ!」

「右に回り込め」 「駄目だ 攻撃魔法で対処しろ!」「爆弾か火薬はもうないのか!」

冒険者達は危険な状況に慌てていた


3つの首を持つ火を噴く竜 ヒュウドラが二体 ホブ・ゴブリン六体 毒液を放つ大蛇

岩のゴーレムが三体


ヒュウドラが吹いた火で大火傷を負う「きゃああ!」「熱い!」

火傷を負った仲間達に 回復係の魔法使いが癒しの魔法をかけている


岩ゴーレムの攻撃 数人が岩壁に叩きつけられた「う・・」「いたた」

ザッシュ! 「毒の大蛇は倒したぞ!」「頑張れ まだ敵が残っている!」


しかし・・

岩ゴーレム、ホブ・ゴブリン達からの攻撃で 追い詰められる

ヒュドラがとどめの火の攻撃をしようと 口を開ける 「もうだめだ!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る