「正しい熟語の使い方(戦い方)」

千人楽葉(せんじんらくよう)

第1話「動き出す物語(ストーリー)」

人生とは不平等だ。

金持ちの子供は金持ちになり、貧乏な家の子供は大概貧乏になる。

勿論その人の努力や才能で人生は変わることはあるが、そんなことは少なく大概は生まれに左右される。

まぁそんな話はとりあえずおいておいて。

「誰でもいいので助けてくださいぃぃぃ!」

ほんと天才でも馬鹿でもいいから切実に

どうもみなさん俺の名前は龍牙崎影(りゅうがざき かげ)でございます!絶賛不良に絡まれております。

「おぅ兄ちゃんちょっとでいいんでよ。金貸してくれねぇかなぁ」

「ほんの少しでいいからよぉ」

「あはは、いや~ちょっと今手持ちがですねぇ」

「おうこら嘘ついてんじゃねぇぞ」

「おうコラちょっとジャンプしてみろ」

だからほんとにないんだってぇ。

そんなことを考えながらとりあえず飛び跳ねてみる。

ぴょん♪

♪チャリン♪

「・・・あ」

小銭がポケットから零れ落ちる。

そういえばちょっと前に自販機使ったような気がする。

「やっぱりもってんじゃねぇかって、おいこら待ちやがれ!」

「勘弁してくださぁぁぁぁぁい」

とりあえずダッシュだ。そうじゃないと色々間に合わない。

「待ちやがれこのガキぃぃぃぃぃ」

「勘弁してくだって」

ガコッ

「ぎゃあぁぁぁぁぁなんでこんな所に落とし穴ぁぁぁあ」

「しかもなかなか深いぃぃぃぃぃ」

「ぎゃぁぁぁぁぁああああああ」

ドンガラガッシャン‼

「マジ痛てぇ」

「何やってるんだよお前は..」

「うげ、圭かよ。なんでここわかったんだよ。」

「そんなことよりも仕事ほっぽって不良に絡まれてる情けない同僚を見た俺の気持ちを考えてくれ」

「へいへいありがとさーん、ついでにこのごみの山からも出してくれるとありがたい」

「それは知らん。後は自力でなんとかしろ」

「頼むよー。一応同僚兼友達だろー。」

「はぁ、で?場所のデータは?」

圭がにらんでくる。全くそんなおっかない目つきしてるからモテねぇんだよ。

「それはもちろんポケットにあるでー。だから早く助けてくれよー。」

「ほらよ」

パチンッ

圭が指を鳴らす。

「わぁー」

ずさぁぁぁぁ

「ぐへぇ、流石の「許謀偽計」ですなぁ」

ほんと悪いことさせたら圭の右に出るものなしである

「なんか失礼なこと考えてないか?」

「いいえ全く」

エスパーかよ

「まぁいい。データが手に入ったならとっとと行くぞ。」

「んなこと言われても今回はちょっち厄介だぞ。ほれ」

「あぁ、厄介なんていつもことだ...」

「な?」

「なんでよりにもよってあそこなんだよ!」

「んなこと俺に言われてもなぁ」

あそことは、この町の上層部の組織の1つである。

まぁ何の業務を行っているのかは大半の人間が知らないが。

まぁ何が問題かというと入り口のない建物なのである。つまりどうやって入ればいいんだろ。

「まぁ、とりあえず建物がデータの場所にあることはわかってんだからとりあえず行ってみようぜー」

そういって俺データを頼りに歩いていく。

「お前なぁ」

半分呆れた圭もあとに続く

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「ダメじゃねぇか!」

不良の山に座りながら圭が叫ぶ。

「んーここもダメかー。」

不良の屍の道をかき分けながら建物を観察する

「てか、てめぇも見てねぇで手伝え!」

あぁもう耳に響く

「んなこと言われても俺の力は戦闘向きじゃねぇし」

「なんならこの能力で不良を呼んでるまである。てへ☆」

「お前、マジでいつかぶっ殺す」

「ちょ⁉まてしっかりきまってる。首きまってるからぁギブギブ、事実無根だぁ‼し、死ぬぅ」ぐふぅ

そんなことをしていると。てかやばい圭さんマジで締まってる。タップ‼タップ‼

「おい、そこの二人組何やってるんだ」

どっかで見たことある黒服のおっさんがこちらに寄ってくる

あ、そうだ。この前見た漫画のヤ〇ザの幹部に似てる。走馬灯かなぁ。はぁ

そんなことを考えながらようやくかと内心にやりとしながら

「ようやく引っかかったなぁ」

こんなことをこっそり呟いてみる。てかヤバイマジで死ぬぅぅぅぅ!

ドガッ

俺の後頭部に固い何かがぶつけられる。

恐らく圭の方もだろう。てか普通に痛てぇ。

ドサッ

そこから俺の意識は闇に飲まれる。

あれ?もしかしてこれ酸欠かも、だったらヤバイくね?

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鼻にツンとくるに匂いで目が覚める。

「気分はどうだい?」

「それがこの現状に対してって意味ならある意味最高だな」

「ついでにこの布がなければもっと最高だったんだけどな」

「はっはっはっは、私の顔を見られると後々厄介なのでね。少しばかり我慢してくれた前」

「それで君たちはいったいあんなところで何をしていたんだい?」

「いやぁ、不良に絡まれまして、いや~友人がいなければどうなっていたことか。」ははは

「なるほど、確かにここら一体の治安は良くないかねぇ」

「なるほどなるほど。」

いやぁこれで離してくれるとうれしいなぁ。

「なるほどねぇ。ところで私は上層部の人間でね。」

「ついさっきとある研究所からこの場所のデータが盗まれてねぇ」

「ついでに研究所もボロボロにされてねぇ。何か知らないかい。」

「いやぁ、知らないですねぇ」

「ついでに報告のある襲撃者の容姿が君と君の友人にそっくりなんだが?」

「いやぁ、偶然ってあるもんですねぇふがふが」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「全部嘘だよね?」

「あ、流石にバレました?」

「バレるに決まってるじゃないか」

「それで?」

「何をしにここに来たのかな?」

「まぁ正直に話すわけないか。」

「はぁ、仕方ない。ここは私の能力で」

やつの足音が目の前で止まる。

バチィッ!

俺とやつの間で電流が走る

「な⁉」

やつの驚いた声が聞こえる

「そろそろか」

ドカァァァァァァァァァァァァン‼‼

爆発音が響く

「おいバカ。生きてるかぁ」

「おー生きてるぞー。だから助けてけろー」

「そこかぁぁぁぁあ‼」

コロン

「「え?」」

あれぇ、おかしいな。凄く嫌な予感がするなぁ。

あれぇおかしいなぁ。味方の良く使う「ば」から始まって「ん」で終わるものの転がってくる音が聞こえたなぁ

「死ねぇぇぇぇ影ぇぇぇぇ」

「てめぇの狙いはそっちかぁぁぁぁあ!」

ドカァァァァァァァァァァァァン‼‼

爆発音が目の前から弾けた。

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そこら一帯が建物の瓦礫に溺れた。そこに男が1人瓦礫に腰掛けていた。

「ふぅぅ、任務完了!」

「任務完了。じゃねぇぇぇぇ‼」

「痛ってぇ!」

「この野郎。もう少しで死ぬところだったわ!」

「チッ‼生きてやがったかしぶとい奴め」

「お前任務ごとに俺のこと殺そうとすんなや!」

「まぁ死んでないからいいだろ」

「よくねぇよ!」

「あぁもううるさい!で?お前のとこにいた上層部の人間はどうなった?」

「さぁな。目隠しされてたからどうなったかまではわからん。多分だけど生きてるだろうよ」

「流石にあれじゃ逃げたか。」

「それよりもそろそろずらかるぞぉ」

「俺たちは二人しかいないうえ、何の後ろ盾もないからなぁ。警察やらが来ると積む。」

「よく今日まで捕まらなかったなぁ。俺たち」

「なるほどねぇ。君たち二人が最近噂になってる「ビル破壊」か」

「「!?」」

とっさに後ろに回避する。

圭も同じく危険を察知したようで回避をしたようだ。

俺たちのいた場所を見るとそこには男性が1人立っていた。

(年齢は20後半か30前半ってところか。戦意は...わからん)

「おい、圭。どうする」

「とりあえずやばいってのはわかる。」

「逃げるか、戦うか」

「圧倒的前者だな」

「3、2、1で、罠発動してくれ」

「わかった」

「さん」

「にい」

「いt「作戦会議は終わったかい?」

男が目の前に移動してきた。

「⁉..圭‼」

「トラッp」

「まぁ落ち着けよ少年たち。」

ドサッ‼

俺たち2人は瓦礫の床に伏していた

「はっ⁉こいつは、血ぃ?」

「能力なら効かないッ!」

縛られた何かを破る

「危ない危ない♪」

グシャァァァァァァァァァァ‼ 

顔面から地面へダイブしてしまった。

「痛ってぇ‼」

「まぁまぁ落ち着きなよ。別に君の敵でじゃあないんだから。話くらいは聞いてくれてもいんじゃないかな?」

「....わかった降参だ」

男はニヤリと意地汚い顔をする

仕方あるまい。この状況じゃ話聞くしかあるまいよ

せめて皮肉だ。

「それであんたは?」

拘束から解放された圭が尋ねる。

「私は三船 歩生(みふね あゆむ)。君たちと同じ「言葉」使いだよ。」

男性は、三船 歩生は、笑いながらそう俺たちに言った。

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