第一王子ルーカス・フォン・アザイラムの蛮勇
「さぁプリシア、まずは宿舎に行って兵を集めるぞ、その後は俺の舎弟たちに声をかけで出発する、逃げた連中はどうやら北に逃げたらしい、たしかあっちの方角は平地が続く場所だったから馬を出せば数日もあれば追いつくことが出来るだろう」
「さすが王子様、慧眼っていうやつですね」
◇ 宿舎 ◇
「どういうことだ、誰もいないだと?」
「そーいえば最近静かでお昼寝しやすかったですねぇ」
「クソッいないのならしかたない、貴族街に降りるぞ」
「はい!」
◇ 貴族街 ◇
「この辺りも静かだな……」
「でも静かなので落ち着いて紅茶を飲めそうな雰囲気ですね」
少し歩いていると舎弟を数人見つけることが出来たので王子命令で捕縛隊に参加させた。
「殿下、この作戦が成功したらいよいよ殿下が王になる日も近いですね」
「そうなったら俺たちも側近だ、大出世だぜ」
「そうだろうそうだろう、さっさとパトリシアやら宰相やらを捕まえるぞ」
「了解です!」
「いえっさ!」
「王子様かっこいいですぅ」
◇ 王都北の平原 ◇
「予想通り馬の脚が速いな、こういう平原だと」
「殿下こんなことまで想定していたのですか?」
「さすが俺たちの大将だぜ」
「キャーーー! さっすがですぅ」
おかしいな、だいぶ来たのだが……足跡はあるのにまったく誰の姿かたちも見えない。
「いや……待てお前たち、おかしいぞ、足跡が有るには有るが、何千人も通ったにしては荒れていない」
軍事演習の様子を見ていたからこそわかる王子だけの違和感。
「そういえば……この平原に入る前に立て看板が立っていたな、どんな内容だったかだれか覚えているか」
「はい? そういえばありましたね」
「私が見ました、真新しい看板に『この先、水害の危険有り、立ち入り禁止』などと書いてありました、逃亡者が追跡を払うための偽の看板と判断して無視してましたっす」
なんだって? ……そういえばこの平原の名前は。
「そうだ……ここは
気が付いたのが遅かったのか、早かったのか……史実としてはこれ以後彼らの記録はないと言うことだけ書き記しておこう。
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