第6話 いざボルケニオン山へ!! 常夏ビーチでぴちぴちなのか?

綺麗な常夏の島。

名前は何か知らんけど、船で目が覚めた途端いきなり卵を取ってこいだなんて、――ひでぇ。


まだ朝食も取ってないのに。


だがグチグチ言ってる暇は俺にはない。


島に上がったやつら(ゴブリン達)は上陸後、ボルケニオン山を目指して、砂浜から直ぐのジャングルを突っ走っていきやがった。


俺も上陸した瞬間、走った。

ビーチを走ったのだ。

「わーい!!嬉しい~綺麗なビーチ♡」


そのままビーチで寝転び、砂浜を満喫していた。

「――あ~キモティぃいいい!! こんな島滅多に来られないから楽しんじゃお」

「―待て待て! クーガ。お前何してんだよ。卵どうすんだよぉ」

「タツローナ。人生生き急ぐな。待てば海路の日和ありだ。」

「何それ? どういう意味ぃ?」

「バカには、わかんねぇってことだーーははーー」


バカ面でこっちを凝視しているタツローナに俺は気を取り直して

「とりあえず俺と皆が帰って来るの待とうぜ」

「なんでぇ? 卵とられるよ?」

「持ち帰ってきた奴から卵を、…」


「―――あぁ! ナルホド! 奪うんだぁな!?」


一瞬タツローナの顔が狂気染みていて、舌まで出して、マジきもいと思ってしまった。

「分けてもらうんだよ! それじゃクズだ」


俺とタツローナは二日間、木の実を食べ、海水浴に砂堀や木陰テントを作って、楽しみながらビーチで待った。


だけど、やつらが戻ってくる気配がない。


このままココに暮らそうかとも思ったが、何かが足りない。


―――服? あ、その前にパンツか。全裸だもんな。


――――違う!! 女だ!! 


なんてことだ。

俺は――満喫しすぎて忘れていた。

――笑顔で男(タツローナ)の裸を追いかけていた二日間が許せない。


「タツローナ。…… お遊びはここまでだ。俺らも出るぞ!」

「ついにか。クーガ。…お前が立つ時が来たとはな」


何ぃ外国映画の吹き替えみたいなセリフ言ってんだコイツタツローナは。


「よし、まずは葉っぱで股間を隠そうかタツローナ。野生のゴブリンだと思われかねないしな」


俺とタツローナは密林に入って行く。

すぐに葉っぱを千切って股間のjrにペッと貼り付けた。


転生前には、見たことない虫や鳥が飛んでいて、思わず僕夏を思い出した。

「捕まえてぇなー。虫かごいっぱいに。――ん――――ッあぁあああ危ない。女女女!!」


また別のことで俺の思考が消し去られるところだったぜ。

「よし。決めた」


俺はおんなの歌を歌う。

「―――ワン、トゥ、スリー、おんな♬~おんな女居んな恩名おんな~♪」

モチベが上がるぜ!! ふぅううううううう!!!!


ドンドン奥へ奥へ進んでいく。


足が軽やかだ。

「このままボルケニオン山までぇ―――――ッッわふぅわぁあああい!!」

―――ッ俺の足が何かの罠にかかって足にロープが巻き付いた。


木の上まで一気に体が浮いた。


「なんだ。これは! 早くタスケテくれタツローナ!!」

俺がタツローナの方を見ると、俺を助けるどころか全速力で、走って逃げていく後ろ姿があった。

あいつの背中はまなこに焼き付いたね。


すぐに茂みから十人程の、この島の原住民と思われる全裸の部族達が木の槍や盾を持って俺を囲みやがった。

「ウッホ。ベル写真カモヌード」

「はぁ―――ッなんだって?!」


俺は下から投げられた石に頭を当てられて気を失った。


――ッ最近失ってばっかりじゃねぇ……か…――――

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