第5話 ゴブリンがぶりんぶりんする快晴日和~海水日和な訳よ。

そこから俺はタツローナにゴブリンについて聞いた。


確かに自分の種族について全然知らなかったな。


ゴブリンだけで呼ばれる者は、野生の野良ゴブリン。

人間でいうアウトローに住むやばい奴らしい。


その点、オークゴブリンは人型に近いが、ゴブリン界でも屈指の不細工が多く不人気極まりない。

――まぁ俺がイケメンだからその常識はこれから変わっていくわな。


次にホブゴブリンだが、手先が器用だがチビで性欲が高いのが特徴らしい。

当然そんな紹介されている訳だからゴブリン界でも圧倒的に群を抜き女子からの支持率が異様に低い。


そのゴブリンが俺の前にいるタツローナにあたる。

まぁ男なら性欲が強いのは当たり前だ。

チビはメスからしたら減点だけどな――ハハハハハ――。


他にも、数種類のゴブリンがいるが、その話はまた今度だ。


それからタツローナと、他にも色々話していると船内から髭面の男が出てきやがった。

そいつは己の手で、自身のズボンを引き裂いた。ボタンが弾け飛び俺の顔に当たる。

―――何故に?!。そのシチュエーションいるぅうう?!


そいつは自信満々に死にそうな顔の俺たち(30人)に向けて語り出した。

―――まぁゴブリンだし全員顔色わりぃけどな。これゴブリンジョーク


「んんー。お前らを買った主。グエン=フックだ。俺はお前達を使う権利があり、お前らは生きる資格はない。死んでいるも同然であり俺の奴隷だ。…… だが―――――そのお前達に生きるチャンスをやろう」


偉そうな。――俺はお前みたいなジャガイモおじいに飼われた覚えはねぇぜ!って叫びたいけど、言ったら殺されそうだしやめといた。――てへっ――


グエン=フックは船の先にある島を指さした。

俺が見るに、ビーチ開拓すると、観光旅行客が集りそうな綺麗な砂浜。

透き通った海に、サンゴ礁。

「最高じゃんか! 何? あそこで暮らすの? あり! シーシャ持ってきてぇ」


「アソコの島の中心にあるボルケニオン山。そこの山に生息する鳥からしか取れない卵を持って帰って来てこい」


卵だぁ? そんなの見て分かんのかよ。


「大きさは、拳の大きさ程で紫色だ。一つでも持って帰ってこれたら、街まで送ってやろう。俺は嘘はつかない。そういう男だ。俺はこの船上で五日間待つ!」


このフックとかいう男の発言でやる気がなかったゴブリン達に生気が戻りやがった。

そんな高級な卵なのか? ―――なんか裏があるなこれは。


「さぁ行ってこい! 勇敢なゴブリン達よ!」


急に持ち上げ出しやがった。――慣れてるな。

「ってあれ、――島まで近づかないの?」

「当たり前だ!! 俺はココで船を止めて待つ。――さぁイケ! 勇猛なゴブリン達よ!」


フックの掛け声に30人程のゴブリン達が一斉に海に飛び込んだ。

「コイツ等、切り替えはや!」

「クーガ何してんだよ! 卵なくなるぜ! 飛び込めよ! 急いで岸まで泳ぐぞ」


おーけぃ。

この困難、俺は超えてみせる。

死んだ時、度肝抜かせてやるぜ。イロハエンジェルちゃんよ!


「待てよタツローナ! 俺はこう見えても、クロールの怪人クーガリオンと呼ばれた水泳野郎だったんだぜ!」

「何!! そんな異名が。クーガ、…… 只者じゃないな――」


――ネットで呼ばれてただけ。

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