第2話

「しかし、おまえもようやるよ」


 同僚。防御用装備プロテクターを外しながら、語りかけてくる。


「なにがだ」


 銃器を確認。大丈夫。綺麗なまま。


「そんなに仕事で活躍してはいないが」


「ちがうよ。任務のことじゃない。ほら。おまえの恋人。学生なんだって?」


「ああ。それか」


「いいねえ。恋愛」


「そんなにいいものでもなかった」


 歳が違う。生きている環境が違う。


「別れてきたのか?」


 銃器を放り投げる。同僚がそれを受け取り、再び確認。異常はなかったらしい。背中に装備。


「仕事に色恋は関係ない」


 心からの言葉だった。


「おまえなら、そう言うと思ったよ」


「じゃあ訊くな」


「ほら。降下だ。今日も仕事日和」


 左手のプロテクター。確認して。降りる。

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