生徒会には入りません!

神条

EP.1 生徒会?なにそれ美味しいの?

 俺の名前は佐倉快李さくらかいり、高校2年生の17歳。特にこれといった特技や趣味はない。

 4時間目の終了のチャイムが鳴り、号令がかかった後すぐのことだった。購買に行く途中の廊下で俺はある人物に呼び止められた。


「ちょっとキミ、いいかな?」

「あ、はい」


 振り向くとそこには身長170センチくらいでスポーティな髪型の黒髪をした男子生徒が立っていた。目を合わせるとニコッと爽やかな笑顔を向けてきた。

 俺はこの人を知ってる。生徒会の人だ。


「2-Eの佐倉くんだよね。ちょっと相談があるんだけど、今空いてる?」

「あー……」


 正直、今猛烈にお腹が空いてるので後にしてほしい。けど、この昼休みに呼び止めるってことはそこまで時間がかからない用事ということだろう。まあいいか。


「空いてます」

「ありがとう!じゃあとりあえず着いてきてくれ」


 そう言って彼は歩き出した。この方向ってもしかしなくても生徒会室がある方向だ。なんだか嫌な予感がする。

 黙って彼の後ろを着いて歩いていると彼が話しかけてきた。


「急にごめんね。実は執行部の一人が問題を起こしちゃって辞めちゃったんだよ」

「はあ」

「それで、誰かいい人いないかなって探してて……」


 俺はそこまで聞くとピタッと足を止めた。少し先で歩いていた彼も慌てて足を止めて戻ってくる。


「あれ、どうしたの?何か急用?」

「それって……って……ですよね」

「ん?」

「それって、僕が生徒会に入るってことですよね?」


 聞かれた彼は、急に額に汗を流し始めて焦りだした。


「あ、いやっ、まあ、うん……でも――」

「俺は無理です。他をあたってください」


 すぐさま立ち去ろうとする俺の腕を彼は掴んできた。まずい。


「ちょっと待ってくれ!話だけでも聞いてほしいんだ!」

「何で俺なんですか!他にもっと適任はいるでしょ!?」

なんだ……ッ」

「!?」


 今、なんて?


「とにかく来てくれ!!」

「うわっ」


 一瞬戸惑っていると、隙を見られてそのまま連れて行かれてしまった。

 俺じゃなきゃダメって、どういうことだ?

 それより今は……。


「俺の焼きそばパンんんんんんんん!!!!」

「ちょ、静かに!!」

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