活発な涼原さんと静かな後輩

闇野ゆかい

第1話放課後の図書室

「「「涼原先輩、お疲れ様です。明日もよろしくお願いしまっす!」」」

後輩達が勢いよくお辞儀しながら、元気に挨拶をする。

「お疲れ~皆ぁ~」

私は、目の前の後輩達に軽く手を振り、挨拶を返して、扉まで歩いていき、ドアノブに手を掛けると同時に、

「陽香っまた明日ね」

と、声をかけてきた優奈。

「じゃあね、波並」

私も同じように明るく返し、部室を出ていく。

下校を促す放送がスピーカーから流れている。

私は、廊下を走っていた。

図書室を目指していた。近くの本屋に目当ての本が置いてなくて、仕方なく図書室で借りた本を返すために。

図書室前に着いて、息を切らしたままわずかに開いていた扉を開けると一人の女子が目にはいった。

私は、彼女の周りに漂っている空気に、何だか不思議と惹かれるものに感じた。

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