○月♡日

だって私は、一真のことが好きだから!


言ってしまった。


あのタイミングではなかったのではと思いつつも言ってしまった。


今日の授業は、昨日の出来事のせいで全くもって耳に入らなかった。


ずっと顔が熱くて、茹で蛸になりそうだ。


しかし、授業中の彼を盗み見ても、彼は相変わらず無表情のままで、何を考えているか分からない。


もっと表現豊かなら、友達も出来てただろうに…そんなお節介を思いながらも、彼を見つめてしまう。


今日の放課後、彼は話しかけて来るだろうか?


それとも、自分から行った方がいいのだろうか?


勝手に告白して勝手に逃げるなんて、やはり宜しくないはず。


やっぱり、私がもう一度直接言って、返事を聞いた方がいいよね?


そうこう悩んでる間に放課後になってしまった。


どうしよう、どうやって話しかけよう?

どう切り出す?


「昨日は勢いで言っちゃって、あの好きは友達としての意味でー」


「ダメダメ、ちゃんと気持ちを伝えなきゃ」



「いやいや、強調しすぎだ!」


「あー、頭グルグルしてきたー!」


そういえばセリフを考えるのに夢中で、彼は帰っていないだろうか!?


私がバッと彼の席の方を見やると、


彼は、おもむろに鞄からカッターナイフを出して手首を切ろうとしていた。


「何でええええぇぇぇ!!!???」

「いやいや、何でリスカしようとしてるのよ!?

こっちは昨日の事でめっちゃ悩んでるのに何であんたは通常運転なのよ!?」


私は彼からカッターナイフを取り上げる。


「いや、俺なんかを好きになったせいで玲香を悩ませて悪いなと」


こいつは何処までいってもそれか!?


私はまたブチ切れる。


「あのね、私はあんたが好きよ!だからこんなことして欲しくないし、望んでない!」


「でも、同じ世界で生きていきたいんでしょ?」


彼の目が何故か光が消えたかの様に暗くなる。


「はぁ!?それと自殺と繋がらないでしょ?私はただ、前みたいに普通に一緒に遊んだりしたいの!」


きっとまた、彼はのらりくらりと私の言葉をかわして、茶化してくるんだと思った。


しかし、彼は今までに見たことないくらい真剣な顔でこう告げたのだ。


「無理なんだよ


だって、玲香はもう死んでるから」



私は、頭が真っ白になった。






















数ヶ月前、教室に置かれていた花は、そういえば誰の机の上にあったっけ。



あの机は、私の机だ。



そうか、私はあの時、

























死んじゃったんだ

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