序章
鉄道会社、それは社会における日常を支える重要な組織である。鉄道が遅延すれば多くの学生や会社員は通学や通勤に遅れ、社会にとって悪影響をもたらす。
この物語は、そんな鉄道を遅延せず社会を支え続けるために働く、ある人の勤務記録を記したものである。
2019年3月某日 -下田電鉄下宮運輸区-
「水川君、君は来年度の4月から丹西駅の助役に異動・昇進されることとなった。」
運輸区長からその辞令を聞いた瞬間、私の中で名状しがたい感情が溢れそうになった。そして、一瞬自分の耳を疑いかけた。
「本当ですか!?」
私は溢れそうな感情をぐっと堪えて再度確認する。
「あぁ、本当だとも。支線の駅だが付近に空港や住宅街があり利用者は多い、これからも責任感を十分に持って勤めるように。」
助役の任命だけあって運輸区長の声も少し普段より重く感じた。
助役の試験に合格してから数年、今まで不運が重なり中々助役の座に就けずにいたが遂に念願の助役になれると思うと興奮と緊張が入り乱れた。
「了解です。4月より丹西駅助役へ異動、承りました。」
心を落ち着かせつつ、復唱をした。
「よし、頑張ってこいよ」
運輸区長の励ましの声に、私は頷き運輸区長室を出た。
そして、4月から私の助役としての生活が始まることとなった。
下田電鉄 大川助役 勤務記録 @Sobuyama
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